出版社内容情報
太宰治/原作 伊武雅刀/朗読
「私たちは、生きていさえすればいいのよ」太宰治、晩年の名短編を伊武雅刀が朗読!
繊細すぎる心を持つがゆえに、酒におぼれ、破綻してゆく主人公を妻の視点から描いた「ヴィヨンの妻」。戦後の新しい倫理観や新生活への期待を込めた太宰治の代表的短編を屈指の個性派俳優、伊武雅刀が朗読する。
発行形態:新潮CD
判型: [1CD]75分
ISBN
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
santana01
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世間的には割れ鍋に綴じ蓋と言われてしまいそうな夫婦の関係。才能がありながら自堕落な生活を送る主人公とそれを支える健気な妻という、ある意味よくある図式ともいえる。耳で聞くと太宰の日本語表現の素晴らしさに舌を巻くしかないが、ラスト近くに秘密を抱え込んだ妻が、「死にたくて、仕様がないんです」とつぶやく主人公に対して、「私たちは、生きていさえすればいいのよ」とさらりと言ってのける。太宰のその後の人生を知っているだけに、この妻のセリフに彼がどういった気持ちを込めたのだろうかと考えされられる。2013/04/18
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