出版社内容情報
反芻者続出の話題作。待望の単行本化! 大ボリューム本編212Pに加え特別描き下ろし16Pを収録。「このえり巻先に特攻で逝った人から貰ったんです」1945年3月、徳島。報道の為、特攻隊の写真を撮影に来ていたカメラマンの淀野は、田中志津摩一飛曹の朗らかな笑顔に惹かれながらも、彼の運命を思い、うしろめたさを覚えてしまう。ある晩。不意に淀野のもとを訪れた志津摩。話し込むうちに、レンズ越しには見えなかった深淵が――。(『田中志津摩一飛曹編』)時は第二次世界大戦末期。 苛烈な争いのなか、國の為、自らの命を武器に闘うべく募られた特別部隊。 “神風特別攻撃隊”――……。焦燥、憧憬、苦慮、希望、そして慕情。生命の灯が揺らぐ日常で、魂をぶつけあう漢たちの秘められた夜6編に加え、特別描き下ろしを1編収録。濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、劣情の上巻。
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- 評価
ママチョコ本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
せの
13
こういうこともあったろうなあと思っていたが不謹慎かなと長く誰にも言えなかった時代、設定の作品が形になって世に出ていたのでびっくりして手に取った。死のかおりって、なぜだか色気がある。理不尽極まりない境遇における若い男性たちの、その時だからこそあった関係で、どうしても哀しさがあるのだが、ちょいちょい笑ってしまう描写もあって、彼らが死の直前までふつうの青年としても生きたことが描かれているのがいいとおもう。情事を壁一枚隔てて聞き耳立ててるほかの兵のコマに毎回笑ってしまっていかんww2023/08/18
むらさきいろの薔薇が好き
7
特攻隊の隊員達のお話。生と性と死が生々しく描かれている。2023/10/01
あずま
5
壮絶。切ないとか尊いとか、そんな言葉の感想ではない。こんな人たちがほんとうにいたかもしれない。 戦争がなくならない現代。それでも、少しずつ自由な生き方を認め合う世界に向かいつつある現在も事実。あとがきのifに少し救われました。戦争がまた身近にある今、表現が自由にできる今、この作品を読めたこと、よかったです。2023/10/01
ぽんた
4
一部BLは苦手だったけど、この本はいけた!! ただのえっち漫画…じゃないです…もちろんちゃんとえっちなんですけども、お話の内容がよすぎた。 悲恋ってこんなに切ないものなのか。毎話涙が出そうになるほど悶えた。しかも最初の志津摩くん、上巻の最終話で出てくるっていうね!!!!八木さん…?てなってたけど、最終話見てから最初に戻ると切なさが倍増する。八木さん会いたいよねええ泣 下巻でもこの2人は出てくるのでしょうか。尊かった。悶えました。最高です。
軟膏
4
電子。広告を見て気になっていた作品。肝心の広告の話は収録されていなかったので下巻かな。一口に切ないと言っていいものか、なんとも言えない読後感。隣の部屋の原少尉などたまに挟まる小ネタが面白かった。下巻が出たら読みます。2024/03/06




