出版社内容情報
ある事件をきっかけに検非違使の在原業平と共に怪事件を解決することになった文章生・菅原道真。宮中で権力争いを繰り広げる藤原基経や伴善男と出会っていくが……そんな中、霊峰・富士の噴火で帝の世への不安が生まれ始め……!? 累計100万部突破の平安クライムサスペンス、暗雲立ち込める、第13巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
59
前巻で伴家の縁者・清純ともめた源信の家人・士師忠道が伴善男に知恵を付けられた彼から再び難癖を。そもそももめたきっかけが道真と知り合いの大宅鷹取の娘だったことから、道真が解決案を示すが、それは忠道に新たな道を開く。士師忠道は実在の人物で弓馬に巧みだったため、左馬少属から甲斐権掾に異動になる。この特進人事は伴善男が信の武力を奪う策略とされており、道真絡みのフィクションを加えたのが冒頭のエピソード。気の弱い源信には忠道のような豪胆な部下が必要だったが本巻では藤原良相もこの人事を黙認するかのようなコマがある。2020/09/10
maekoo
44
源氏物語で光の世話を焼く左大臣の造型の参考にした感のある信心深く穏健文化人な源信(みなもとのまこと)左大臣(恵心僧都=源信とは別人)の力を削ごうとする伴大納言の複合した思惑が不気味! 表題の事件への手始め的エピソードでもある。 次の赤子にまつわる庶民・貴族・この時代の状況が判るエピソードも◎ 各々道真の仕掛け返しが痛快な巻! ベニテングダケの山姥話も天女伝説と絡めて面白い! そしてついに業平の有名な伊勢斎宮の話へ。 番外編は好きな故実の重陽の話だが業平のプレイボーイ振りとタイミングの悪さが笑いを誘う!2023/07/29
Nyah
40
大納言伴善男の家人と源信の家臣土師忠道のトラブルを収めた道真に気づき、意趣返しする伴善男。長谷雄に託された赤子。菅家から鞍馬に行き、天女改姥捨された老婆達に襲われそうになる。‥霊峰富士の噴火で帝の世への不安が‥2024/01/07
kagetrasama-aoi(葵・橘)
40
「応天の門」第十三巻。権力抗争から離れていたいのに、やっぱり巻き込まれてしまう菅三さま。まあ、当時は藤原氏の一人勝ち状態以前ですから、伴家も菅家も紀家もそして源氏もバリバリ闘争中なのは必然です。その中で『竹藪にて子を見付くる事』のエピソードはほっとしました。『竹取物語』をアレンジしたこのお話、幸せになって欲しいです(*^^*)。それにしても長谷雄って何歳?父親である心当たりあるの?っと色々突っ込み所満載ですよね!2023/06/24
だまし売りNo
39
菅原道真はドライである。仕えることを生活の保障と職務と割り切る。御恩と奉公の鎌倉武士にも通じる。 竹取物語を連想させる話がある。菅原道真は竹取物語の作者とする説がある。2023/12/12