出版社内容情報
ある日、一瞬で世界が滅んだ。自分以外は「亡者(ナキモノ)」という怨霊になって、街を徘徊している。生きていることがバレたら即惨殺される世界で、まわりの亡者と関わり、生き残るヒントを探るノゾミ。しかし活路を求めて足掻くノゾミの前に、この絶望的な世界を創った「神」が立ちふさがる。果たしてノゾミはこの世界で生き残ることができるのか。恐怖、ミステリー、でも泣ける新感覚サバイバルホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
9
ある日世界はあっけなく滅びてしまいます。その後に残ったのは多くの悪霊たち。悪霊たちは、死ぬ前のトラウマに拘泥した姿になってしまいます。例えば、子供を交通事故で亡くした女性は腕の長い悪霊になります。腕が長ければ、子供を救えたかもしれないからです。このアイディアが素晴らしくて、物語の中に一気に引き込まれました。ドロドロになった顔のような恐ろしげなものが多く出てくるのですが、不思議な事に静かな雰囲気が漂っており、スムーズに読めました。2巻も読んでみたいです。2023/10/08
kujira
1
「この狂った世界で生き延びてやる」という希望は捨てられないけど、しかし残酷にもなりきれず……という感じの主人公のフワフワさよ。でもなんか途中の展開でもう少し吹っ切れてきた感はあるので、もう少し目的のためなら手段を選ばない的動き方をしていく感じになるのだろうか。主人公自体にも謎が多いけれど。「幼稚な神の戯れでこんな酷いことになった世界」っていうなんとも救いようのない世界観が、たまにはこんなのもいいね。2020/08/29