出版社内容情報
近代化の進展は、内外の軋みと共にあった。江華島事件、西南戦争、側近たちの死、日清戦争……。天皇の悩みは尽きることがなかった。
手探りで近代国家へと向かう??産みの苦しみ?は、天皇自身をも苛んだ。近代化の進展は、国内外の軋みと共にあった。朝鮮で起こった江華島事件、西郷隆盛が政府に楯突いた西南戦争、大久保利通、岩倉具視ら側近の死、そして日清戦争……。国家の体裁は徐々に整いつつも、明治天皇の悩みは尽きることがなく、また、天皇が問題から目を背けることもなかった。この巻では明治8年―28年を扱う。
内容説明
この時代の延長線上に間違いなく現代の日本がある!手探りで近代国家への道を歩む日本を、さまざまな難題が襲う。そして、いつの世も、人間の善意と愚かさの対立が…。ついに日清戦争へと至る、明治天皇の青・壮年期を浮き彫りにする。
目次
江華島事件と東奥巡幸
西国不平士族の乱
西南戦争と西郷隆盛の最期
大久保利通暗殺さる
ふたたびの巡幸と、その座を追われた琉球王
グラント将軍が与えた大いなる影響
「教育勅語」への道
財政危機とようやく緒についた憲法起案
自らの言葉を発し始めた天皇
自由民権運動の「生と死」〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルーツ・リー
4
よく文学では、明治天皇は傀儡に近く、軍事にも、政治にも、実権は握って居なかった。とされるが、ドナルドキーン先生は、最後に聖断を仰ぐ存在として、明治天皇にも重い意義があった、とする主張を展開している。 しかし、そのドナルドキーン先生が書いたこの本を読んでも、やっぱり明治天皇の政治や軍事に対する実験は、殆どない。 勲章を与えたり、政治の人事に介入することはあっても、軍事は、軍人さん。政治は、薩長土肥を中心とする、政治家が動かしており、傀儡とまでは言えないにしても、やはり明治天皇の権限に制限があるのは明らかか。2020/10/08
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