出版社内容情報
戦後70年記念出版。たじろがぬ眼で真実をみつめた戦史小説の金字塔! 綿密な取材をもとに、明晰な筆致で抉り出す“戦争と人間”、その真実の姿――。1巻には、零戦の開発から、その末路までを描く『零式戦闘機』と開戦前夜の緊迫のドキュメント『大本営が震えた日』他、2巻には、巨艦「武蔵」をめぐる人間ドラマ『戦艦武蔵』と軍艦事故に隠された帝国海軍の暗部を描く『陸奥爆沈』他を収録。語注付き。
内容説明
証言者を訪ね歩いて―。この国を支えた熱情は何だったのか。厖大な数の日本人の熱情と歳月を費やした巨大な戦艦は、やがて悲劇的な末路を迎える―。軍隊・戦時用語注付き。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
54
戦艦のことなんか全然知らなかった。あの大和に同型の船があったなんて。しかもそれは軍の工場でなく民間の造船所で作られたなんて。「戦艦武蔵」は初めて知ることばかり。とにかくエラくでかい船を秘密で作っていたことにびっくりする。湾に進水させたら、津波みたいに水位が上がったとか、思いもかけないことが沢山あった。「戦艦武蔵ノート」は武蔵の小説を書くまでの取材や紆余曲折、吉村さん自身の声が聞こえてきそうで面白かった。「陸奥爆沈」は戦時だろうが兵隊だろうが、逃れられない人間の弱さが爆沈事故を通して浮き彫りにされていた。2015/12/03
おい
3
一番面白かったのは戦艦武蔵の取材をまとめたもの。今のマスコミのステレオタイプの表現とは違った、当時の人達の考えや行動がかなりストレートに記されている。また陸奥についても、沈没の真相に迫るあたりは、迫力満点である。 ★★★★2018/03/27
ラオニ
3
ずっと読もうと思っていた「陸奥爆沈」がようやく読めました。爆沈事故が歴史上こんなにあったのかと驚きました。また「戦艦武蔵ノート」を読んで「戦艦武蔵」を書き上げるまでの苦労が伝わってきました。後日また「戦艦武蔵」を再読しようと思います。2016/02/02
kiiseegen
3
戦後70年記念出版。これを機に「吉村昭」戦史小説を全て味わい尽くすつもり。本巻迄は全て再読の作品だったが初読の様にじっくりと楽しめた。先の大戦を従軍した方々ももうほとんどいなくなった今、綿密な取材の基に出来た吉村作品の存在価値の大きさを感じている。武蔵発見の年に「戦艦武蔵」を楽しめる喜び。2015/10/30
たつや
2
分厚いのでモチベーションを上げて読了しました。個人的には「戦艦武蔵ノート」が圧倒的に面白かったです。吉村先生、ヒューズも交換出来ないほどの機械音痴だったのに、戦艦武蔵を書いてみないかと勧められ、奮起する。そして、徹底した取材で書かれたのが分かり、興奮した。勿論、「戦艦武蔵」も面白い。2024/01/12