出版社内容情報
必ず、新しい芸を物にしてみせる――。武士の身分を捨て、人生を浄瑠璃に賭けた男の孤独な魂を描く傑作。感動がさらに深まる脚注付。
俺は、必ず、物にしてみせる――。「脚注」で、さらに深まる物語の味わい。侍の身分を捨て、芸に生きる決心をした中藤冲也。端唄の評判にも浮かれず、新作浄瑠璃を書き上げるが、その成功は金の力だとの陰口。ならば、真に人々の心を打つ芸を究めたいと、江戸での恵まれた暮しを捨て、上方をめざすが、それは挫折と病いに苛まれる苦難の道だった……。己の才に人生を賭けた男の孤独な魂を描く傑作。
内容説明
武士の身分を捨て、芸の道に生きることを決意した中藤冲也。手すさびの端唄の好評にもあきたらず、新作の浄瑠璃を書き上げて喝采を浴びるが、その成功は後ろ盾の金の力だと冷笑される。ならば、真に人々の心を打つ芸を究めてみせると、江戸での恵まれた暮しを捨て、身重の妻を置いて、浄瑠璃発祥の地、上方をめざすが…。己れの才を恃み、人生を芸に賭けた男の孤独な魂を描く傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
47
今で言うと、ミュージシャンに惚れ込んだ女性と、彼の奮闘記?のような感じだろうか?売れないお笑い芸人が、上京するときも、こんな感じなのだろう?端唄と聞くとピンと来ないが、こう読むと題材が面白く読めました。まだ、下巻へ2017/07/02
訪問者
2
これも傑作。浄瑠璃語り中藤冲也の物語だが、彼の浄瑠璃を慕うおけいの語りが要所要所に挟み込まれ、それがとても面白い。ただ、奥さんの父親の援助を拒否する冲也は少し真面目すぎる感じだ。だからこそ上方へ行くことになるのだが。2017/05/06
マウンテンゴリラ
2
上巻を読み終えた現時点での率直な感想を言えば、主人公の生き方には魅力を感じるわけでもない。そういう面では、同じ周五郎の作品の中でも、赤ひげ診療譚、ねぼけ署長、さぶ、等々に登場する主人公の魅力に感動を覚える物語とはまた違った筋書きであるように思う。主人公を含めた人間の薄情さ、哀れなまでの自己愛、またその裏面としての軽薄なまでの人への信頼と絶望。そのような人間のどうしようもなさと悲しさが浮き立つという意味では、青べか物語や季節のない街等に近い作品と言えるかもしれない。→(2)2017/02/25
デントシロー
0
上下巻を続けて主人公、冲也の人生観と行動を通じて仕事に理想を求める男の姿を描いているが共感できない。日常の生活している多くの人々から見れば自分の仕事を求める手段が旅と酒に溺れているだけで真摯に仕事をしている姿が見えない。小説の構成と主人公の生き様が矛盾しており何かちぐはぐな読後感であった。深く突き止めればどのようにも解釈できる内容である。2014/11/20
半べえ (やればできる子)
0
★★★2020/04/13




