出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
昭和12年10月22日、中原中也死去、享年30。哀悼詩「死んだ中原」、追悼文「中原中也」他。同年7月7日、日中戦争開戦、翌年3月、従軍記者として中国へわたり、「杭州」「杭州より南京」「蘇州」他。
内容説明
昭和一二年三五歳。一〇月二二日、中原中也、死去。哀悼詩「死んだ中原」追悼文「中原中也」ほか…。同年、七月七日、日中戦争開戦。翌一三年三月、従軍記者となって中国に渡り、「杭州」「蘇州」ほか。
目次
昭和十二年(戦争について;夏よ去れ;中原中也訳「ランボオ詩集」;宣伝について;実物の感覚 ほか)
昭和十三年(日本語の不自由さ;女流作家;文芸月評;文芸雑誌の行方;志賀直哉論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里愛乍
40
島田健作、萩原朔太郎、川端康成、野上豊一郎、火野葦平について語り、インテリゲンチャに皮肉を浴びせ、志賀直哉論においては20数頁に至っている。だけど表題にある通り、これは中原中也についての本なのである。文章にしてわずか数頁それが数章、なのに読み終えた今、自分にはそれしか残っていない。「孤独病を患って」「何処かで鼠でも死ぬ様に死んだ」のは、現在こんなにも愛されている抒情詩人のことだ。巻末の中原の文にある「茫洋」のひとことに過剰反応してしまうくらいには、これは私の中で彼を表すワードとなってしまっていた。2017/12/12
MatsumotoShuji
0
030727
0
再読。今更ながら気づいたのだが、蘆溝橋事件による日中戦争の開始と中原中也の死がほぼ同時期であったことが印象的である。ある意味では、中也の死は、小林の批評におけるポエジーの担保(「探偵」=「犯人」)の終焉であり、「青春」(平野謙)のひとつの終わりであったと言える。その幸福な「青春」も終わり、生々しい現実としての「戦争」がせり出してくのも必然だろう。例えば、従軍記者として保田と小林を比較した時、熱に浮かされたようにはしゃぎまくる保田に比べれば、小林の苦虫を噛み締めたような表情を感じる。2023/08/13
イ
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中原中也関連のみ読了2022/06/16
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