内容説明
核兵器を持った人類の滅亡の不安「美しい星」&創作ノート、近江絹糸の労働争議に材を取り、日本的心情と西欧的知性の相克を描く「絹と明察」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uburoi
1
モデルになった近江絹糸の労働争議が起きたのが昭和29年だから、『ひよっこ』で描かれる時代より先行していた。みねこたちのいたラジオ工場は、こういう事件を経て全寮制の金の卵たちを働かせていたことが分かった。こうして『絹と明察』の舞台を理解するのにたぶん『ひよっこ』は役立つ。では『美しい星』の映像的な世界を理解するのにはどんな映像作品を触媒とすればいいのか。日本映画『美しい星』(2017)にあらず。タル・ベーラ監督作『ニーチェの馬』(2011)でなければならない。2017/06/30
ポルポ・ウィズ・バナナ
1
「美しい星」映画との比較。終盤の暁子と重一朗の会話が丸っぽ一緒なのには驚いた。しかし受ける印象は全く違う。吉田監督は本当に意地悪だ。「絹と明察」、「赤呼ばわりされて怒り狂うメディア」に触れると(労働者の闘争具合も含め)50年近くかけて随分と飼いならされてしまったもんだなと思う。近代市民度はかなり劣化してんじゃないかな。2017/06/13
MatsumotoShuji
1
010919