内容説明
亡き母を求めて恋の遍歴を重ねる光源氏、その心の底には常に罪の意識と無常の思想が流れる。―豊富な資料を駆使して華麗に繰り広げる王朝絵巻の世界。
目次
『源氏物語』への誘い
『源氏物語』の世界(青春の恋と憂愁 桐壺~花散里;落魄から栄達へ 須磨~乙女;こよなき栄華の日々 玉鬘~藤裏葉;罪の応報と孤愁の影 若菜上~幻;宿命の宇治の人々 匂宮~夢浮橋)
紫式部とその周辺
享受と伝来
源氏物語年表
関連作品
源氏物語を読むための本
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴールドまであと945日
75
平明で解り易い文章で書いている。絵巻物をふんだんに取り入れ、なおのこと物語の内容を読書に興味深くさせている。長い文章、分厚い本でhないが、よく読んだ人やこれから読もうと言う人に向いている。熟達した人、初学者とも適した本である。薄いので、ちょっと物足りないと感じる面もある。2024/01/12
帽子を編みます
58
【源氏物語を読もう】コンパクトにまとまって入門書に良いかもしれません。ただ写真と活字がいかにせ古めかしい。巻頭の丸谷才一のエッセイ「後朝」夕顔、六条の御息所の一節。〜御髪もたげて見出し給へり〜愛執が深くて(夜が激しくて)朝起きられない云々からの考察、真面目な学生では読み解くことが出来ない内容です。それこそ行間に込められた当時の人としては当然だったはずの知識が失われていることに呆然とします。男女関係のなか、呪的行為、どれほどの前提があるのだろう。知れば知るほど、さらに知りたくなる物語世界です。2024/03/15
金吾
27
あらすじを把握するのにいい本です。他の古典もこのシリーズで読みたいと思いました。2023/05/24
maekoo
6
源氏物語に造詣の深い中野幸一教授・丸谷才一氏の文は格調高く簡約にまとめられていて大変読み易く新井勝利画伯の品の有る源氏画も観れる! 物語のあらすじとその面白さ、造型論・紫式部評伝・偽作をはじめとする享受史を多くの関連写真と共に愉しめる! 巻末の関連作品紹介は具体的な源氏物語への影響や逆に影響を与えた作品を解り易く知れ良い資料! 貴重な参考資料写真が多く近代の現代語訳初版本や様々な写本校定本の桐壺巻の書き出し比較も出来、入門者にもマニアにも嬉しい構成になっていて楽しめる! 特に冒頭の丸谷氏「後朝」は必読!2024/11/25
Maki
2
京都へ行ったのがきっかけ。歴史的背景をお勉強。2016/06/04