内容説明
プロレタリア文学VS新感覚派の拮抗によって始まった昭和の新文学、モダニズム文学の妖しい開花。戦争に明け暮れる不安と忍苦の時間。時代と文学のもっとも不幸な関係の中で伏流のように生き続けた激動期の文学。初めて写真で再現する文学の流れ。
目次
“都市化時代”の始りと展開(大正12~昭和5、6年)
転換期の“不安の文学”(昭和6、7年~昭和12年)
激動のなかの沈黙と喧騒(昭和13年~昭和20年)
感想・レビュー
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匠
105
プロレタリア文学VS新感覚派、モダニズム文学。大正時代末期から昭和初期は都市化時代の始まりとともに「不安の文学」の時代でもあったという。戦争によって大きな影響を受けた時期でもあり、作家たちが描いた絵画や書、原稿や書簡などのカラー写真をはじめ、その他当時の豊富な写真とともに昭和20年までを振り返る貴重な1冊。文学はもちろんだが、志賀直哉の描いた、やさしい雰囲気のつつじの絵や三島由紀夫の小学2年生当時や中原中也の小学5年生当時、他にも川端康成や芥川龍之介など、子ども時代の彼らの習字が拝見できて嬉しかった。2014/08/29
犬養三千代
5
昭和に活躍した作家さんたちの写真集。小林多喜二の遺体の写真が悲しい。。2021/02/04