出版社内容情報
スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある。言葉の力が生きる力とも言える時代に、日本語の足腰をどう鍛えるか、大切なことは何か――恋愛、子育て、ドラマ、歌会、SNS、AIなど、様々なシーンでの言葉のつかい方を、歌人ならではの視点で、実体験をふまえて考察する。
内容説明
スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある。言葉の力が生きる力とも言える時代に、日本語の足腰をどう鍛えるか、大切なことは何か―恋愛、子育て、ドラマ、歌会、SNS、AIなど、様々なシーンでの言葉のつかい方を、歌人ならではの視点で、実体験をふまえて考察する。
目次
1 「コミュ力」という教科はない
2 ダイアローグとモノローグ
3 気分のアガる表現
4 言葉が拒まれるとき
5 言い切りは優しくないのか
6 子どもの真っすぐな問いに答える
7 恋する心の言語化、読者への意識
8 言葉がどう伝わるかを目撃するとき
9 和歌ならではの凝縮力と喚起力
10 そこに「心」の種はあるか
11 言葉は疑うに値する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
70
読む価値がある。生きている限り言葉について考えたい。📚️感心したのが俵さんの学ぶ姿勢。息子さんや芝居(第三舞台、夢の遊民社)、ホストの歌会。ラップに「光る君へ」、AIなど。どんなことからも学び、取り入れる柔軟さは見習いたい💦。スマホとコミュ力。ハラスメントに各種クソリプの分類など多様な視点で言葉を語る。【日本死ね】の炎上も言及。【言葉の濃度】に谷川俊太郎が【言葉を疑う人】だったこと。彼から見た俵さんは【現代詩の敵】。賢い人は【笑顔、正直、誇り】を兼ね備える。📚️名言多数(後述)。2025/07/05
あみやけ
48
さすが、言葉の、いや、日本語のプロ😌日本語ネイティブで良かったと改めて。言葉は本当に何よりの武器かも知れないし、宝かもしれません。もちろん裏付ける行動が必要ですが、それを含めて人生や生き方ですね。本気で短歌も楽しみたくなりました。読むことも詠むことも。まずは俵さんの短歌解説本を読みます。万葉集とかも面白そう。俵さん再認識のきっかけは三宅香帆。こちらも日本語のプロ。読むことも書くことも話すこともやっぱり楽しい日本語。ただ、基本は聴くことか。老若男女と言葉を、行動を、表情を通して。やっぱりヒトはすごい。2025/06/01
あや
46
俵さんご自身は蒸し返されるのは迷惑と思うけど、例の流行語大賞に「日本死ね」を選ばれて集中砲火を浴びられた時のことが書かれていて、そのことを冷静に振り返っておられる。確かに「死ね」という言葉を安易に使うものではない。しかしそういう言葉を発さざるを得なかった保育園を落ちた方のお立場に立ってみて考えてほしい。私の周囲でとくに「死ね」という言葉に過剰反応したのは男性ばかりであった。そして俵さんはその矢面に立った。そして今の日本はどうだろう。加速度的に少子化が進んでいる。一億総SNS時代議論に向かないツールでどう→2025/06/15
まえぞう
46
俵さんの言葉に関するエッセイです。サラダ記念日、くらいしか思い浮かべませんが、少しは言葉を大切にしてみようかなと思わせてもらえました。2025/06/10
渡辺(読書/散歩)
33
日本語の足腰をどう鍛えるか、生きる言葉とは何かを考えたエッセイ。内容は子育てのことから、ラップ、ネットスラング、SNSのやり取り、AI、ドラマと幅広い。言葉の意味や効果を分析する歌人の目は非常にクレバー。それでいて、時代や媒体に合わせて変化し続ける言葉の世界を楽しんでいるようで、さまざまなことに理解と好意的な解釈を示す筆者の視線はどこまでも優しいように思えた。 https://book-attic.com/ikirukotoba2025/07/25