出版社内容情報
「次こそ当たる! 一発逆転?」。いい加減な予想は、期待を通り越してやがて確信へと変わっていく。そんな時、ヒトの脳ではいったい何が起きているのか。脳内にあふれるドーパミン、二度ともとには戻らない思考回路、ついには薬物中毒よりも深刻な依存状態に……。ギャンブル依存症の患者とその家族の苦しみに、長年向き合ってきた作家にして精神科医が多くの臨床例と最新の知見から解き明かす、恐怖のスパイラル。
内容説明
「次こそ当たる!一発逆転!!」。いい加減な予想は、期待を通り越してやがて確信へと変わっていく。そんな時、ヒトの脳ではいったい何が起きているのか。脳内にあふれるドーパミン、二度ともとには戻らない思考回路、ついには薬物中毒よりも深刻な依存状態に…。ギャンブル依存症の患者とその家族の苦しみに、長年向き合ってきた作家にして精神科医が多くの臨床例と最新の知見から解き明かす、恐怖のスパイラル。
目次
第一章 ギャンブル脳の正体
第二章 ギャンブル症になりやすい人、なった人
第三章 脳が壊れ、家族が崩壊し、犯罪に手を染める
第四章 国と官僚の不作為が国を亡ぼす
第五章 ギャンブルと日本人
第六章 それでもギャンブル脳は回復する
著者等紹介
帚木蓬生[ハハキギホウセイ]
1947(昭和22)年福岡県生まれ。作家、精神科医。東京大学仏文科、九州大学医学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GAKU
32
作家で精神科医でもある著者がギャンブル依存症に関して書かれたノンフィクション。著者はアルコール依存症、薬物依存症と同様にギャンブル依存症も病気であり、かつお金が絡んでくるので他の依存症よりも始末が悪いと。最初は1万円、2万円があっという間に数百万、数千万円の借金というケースもザラ。大谷選手の通訳水原に至っては、数十億円ですしね。家族でどうにかしようと考えずに、病院での治療が必須と著者は述べています。 2025/03/04
みこ
28
作家でもある医師の著者によるギャンブル依存症の実態。行き着くところまで行くと、もはや金儲けや小遣い稼ぎではなく興奮を求めることが目的となるため、勝てそうなところよりも大穴狙いになる。自分を騙し、周りの人を騙しなりふり構わず金を集める。戦慄しか感じない実態が著者の診察を通じての実体験をもとに描かれる。また、そんな現状を知りながら、収益のために公営ギャンブルを展開する国の施策にも怒りのペンを振るう。ある意味この国もギャンブル脳に侵されているのではなかろうか。2025/03/02
たっきー
13
ギャンブル依存(著者は「ギャンブル症」としている)についての解説。依存の治療には特効薬がない、一度脳の仕組みが壊れてしまうと元通りにはならず一生ギャンブルを断つ努力を続けていくしかない(それを支えるために自助グループがある)。国を挙げてIRを進めていることに警鐘を鳴らす。2025/04/04
8番らーめんR
11
思いやり、寛容、正直、謙虚がギャンブル脳からの回復の目標と言う事です。身の回りにいるギャンブル依存症の人を思い出してみると納得。依存症を完全に治す方法はなく自助グループに入り、そこで自分語りをするしかないという現実。家族に依存症がいる場合はすぐ医者に行って相談しましょう。手遅れになる前に。2025/03/04
グラスホッパー
9
ギャンブル脳の恐ろしさ、家族の絶望がよく描かれていた。水原通訳の件でより、身近に感じた。2025/03/28