出版社内容情報
欲しかったのはこれじゃない! コロナ政策の謎に迫る。アベノマスクに一律給付金、接触アプリのトラブル。現場に混乱を生み、国民の信頼を損なう政策はなぜ生まれるのか。元厚労省キャリアがもつれた糸を解きほぐす。
内容説明
コロナ禍の日本政治は迷走が続いた。突然発表された全国一斉休校に、閣議決定をやり直した一律給付金、アベノマスクと揶揄された布マスクの配布…。現場に混乱を生み、国民の信頼を損なう政策はなぜ生まれたのか。原因は「官僚主導」から「官邸主導」への変化に、政治の仕組みが対応できていないことにある。元厚労省キャリアが、もつれた糸を解きほぐし、政治と官僚、国民のあるべき姿を提示する。
目次
第1章 コロナ禍で見えた日本政治の問題点1
第2章 コロナ禍で見えた日本政治の問題点2
第3章 官邸主導の限界
第4章 国の政策はなぜ国民に伝わらないのか
第5章 政策と現場を近づけるための霞が関改革
第6章 充実した議論を効率的に行うための国会の改革
第7章 よい政策をつくるために国民にできること
著者等紹介
千正康裕[センショウヤスヒロ]
1975(昭和50)年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。2001年厚生労働省入省。社会保障・労働分野で八本の法律改正に携わる。2019年9月に退官。コンサルティング会社(株)千正組を設立。内閣府、環境省の有識者会議委員も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おいしゃん
34
著者は元官僚、いまは会社を立ち上げて、という経歴のため、書かれる政治論もバランス良く、わかりやすい。官僚組織の限界もあろうが、こういう人がもう少し霞が関にいれば政治も身近になりそうだ。2022/05/25
Isamash
30
2019年退官した厚生労働省官僚の千正安裕2021年著作。何故アベノマスクの様な政策が登場してくるか、その裏事情を解説。要は、政治家が人気取り政策に走り実現を急がせるが、実現性は考慮されず必要な労力や資金のインピットもなされていない。政治主導自体は悪く無く、政治家や官僚の現実との接点の無さを理由に挙げている。アベノマスク配布策自体は悪くなく説明の拙さと実施の遅さが問題と述べている。ただ自分的には科学に無知なおバカ政策で、資質欠いた首相の好みでセレクトされた官邸官僚の能力の低さが露呈したと思われ意見異なる。2022/11/19
まゆまゆ
19
内閣支持率を短期的に上げるための政策を繰り返すようになった安倍政権以降の官邸主導と呼ばれる政策決定プロセスの実態を紹介していく内容。事前の各省庁の調整を省き首相官邸の一声で政策を決めた尻ぬぐいをする各省庁の官僚たち。相変わらずのブラック霞が関の内容だが、国民への伝え方をもう少し考えて発表すればそこまで反発は少ないはず……というのは希望的観測?2022/04/04
ソフィア
12
個人的に話題だった新書。コロナ関連の政策については、政府は頑張っているはずなのに、国民に思いが伝わっていないことも多いのではないでしょうか。本書でも触れていますが、マスク政策はメディアやSNSで批判の的に晒されましたが、Facebookにて政策に携わった方の投稿を目にした際に考えが改まったことがありました。政府の広報力に改善の余地があるという主張に共感できます。若者の政治離れが進んでいると言われますが、本書から政治や政策に興味を持つ方が増えれば良いなと思いました。2022/01/11
sankichineko
10
元官僚の立場から見た官邸主導の問題点が語られている。日本にも優秀な専門家がたくさんいるのに上手く活用出来ていないのは、制度も含め多くの問題点が絡み合っているように思う。有権者一人一人が賢くならなくては、現状は変わらないかも知れない。2023/01/05