内容説明
『礼儀作法』、『文武両道』、『賞と罰』。これがパブリック・スクールの最高の教育だ。
目次
第1章 パブリック・スクールとはどんな学校か
第2章 学習意欲をどうやって伸ばしているか
第3章 「文武」に加えて重視される「芸」
第4章 目に見える賞と罰
第5章 国を守る意識を教える
第6章 目覚めから寝るまで続く人格教育
第7章 教師たちが尊敬される理由
第8章 親はどうかかわるか
終章 己を知る教育
著者等紹介
松原直美[マツバラナオミ]
1968(昭和43)年生まれ。タイの公立高校、UAEの国立ザーイド大学での勤務を経て、2014年から18年まで英国のパブリック・スクール「ハーロウ校」で選択科目である日本語の非常勤講師を務める。上智大学卒、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
71
パブリックスクールに勤務経験のある著者の記録。イギリス人は「個」を大事にしているから習熟度別クラスや過酷な成績の順位付けをしてもお互いに敬意を払いいじめも起こりにくい……と言いたいが、英国に留学していた従姉は実際にいじめに遭ったと苦労を語っていたし、理想は理想、現実は現実でいろいろ問題も起こるのだろう。とはいえ教育機関としての充実はうらやましい限り。生徒も日本より試練が多いぶん大人びる一面はあると思う。2019/08/13
あすなろ
51
一度知りたいと漠然と思ってた小説その他で垣間見る英国パブリックスクールの生活。願うことなら僕が今から経験してみたいと思うような生活。全寮制だからこそという根底があるのだろう。高い公共性を育み、勇気・名誉・謙虚・協力という四つの資質を育む。後々の生き方迄生活することにより教え込むのである。しかし、ものすごいお金なんだろうなぁ…とも一方で思ってしまうのである…。環境と資質に恵まれた若者がその恵みを社会に還元出来る様になる事が意図されているのである。2019/10/27
kawa
39
イギリスの名門パブリック・スクール「ハーロウ校」(13~18歳の少年達を受け入れる5年制全寮スクール)の非常勤講師を4年間務めた著者によるレポート。トラブル等があって待たされたときに私語をかわさず「静かに待つ訓練」が出来ているという子供たちのエピソードが印象的。全般にその優れた点の記述に終始する。無いものねだりかも知れないが、この学校の抱えている問題点や、教師の労働環境・モチベーションの実態も知りたかったところかな。2023/06/02
いろは
29
ヨーロッパの中高一貫名門校といえば、「ポーの一族」とか、「オルフェウスの窓」のイメージしかなかったので、非常に興味深く拝読。日本の教育が貧困に思えて、気の毒になってしまうぐらいの、充実っぷり。しかし、年間600万円、卒業まで3000万円!!それだけお金をかけれたら、まぁ、素晴らしい教育環境を与えられて当然だわ。★★★2020/02/29
mazda
14
日本との一番の違いは、国を守るという意識を植え付けることでしょうか。軍人さんが偉いということを教育の場で教えているので、このあたりがイギリスが衰退せずに残っている理由の1つかも知れません。授業はレベル別に分けて行われるそうなのでとてもフェアですし、そのように区別されることに劣等感を抱くこともないようです。放課後のクラブ活動も盛んだそうで、講師として元オリンピアンやその道の最先端の方々が招へいされるそうです。年間600万円ほどの学費がかかるそうですが、長い人生を考えると安いのかも知れません。2022/07/14
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