内容説明
戦場で、紛争地で、食べたのは「国家」と「文明」だった。伝説のジャーナリストによる極限のノンフィクション。
目次
世界一うまい羊肉―イラク
チグリス川の鯉―イラク
羊ひっくり返しご飯―パレスチナ
カラシニコフ氏の冷凍ピロシキ―ロシア
昼食はパパイヤだけです―ソマリア
エクソダスと血詰めソーセージ―南アフリカ・オーストラリア
ブドウの葉ご飯と王様―ヨルダン
モロヘイヤ・スープはウサギに限る―エジプト
スパゲッティマカロニ豆ライス!―エジプト
インジェラは辛くてつらい―エチオピア
砂漠の中のクスクス―西サハラ
ベラルーシのリンゴ―ゴメリ市
断崖絶壁バーミヤンのナン―アフガニスタン
何がなくても覚醒葉っぱ―イエメン
最高のフーフー―ガーナ
著者等紹介
松本仁一[マツモトジンイチ]
1942(昭和17)年、長野県生まれ。東京大学法学部卒業。68年朝日新聞入社。中東アフリカ総局長、編集委員等歴任。94年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2007年退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
73
新聞の書評で見て。紛争地帯の真っ只中で貧しい食事を食べたり、チェルノブイリ近郊で放射能汚染されたリンゴにかぶりついたり、カラシニコフ銃の開発者に招かれたり、食べることも死と隣合わせ。「国家を食べる」という程、国家を論じているわけではないが、この状況では、国家どころではないことは伝わる。とりあえず、満足に夕食が食べられる私たちは、幸せか。2019/09/30
タルシル📖ヨムノスキー
27
タイトルだけ見ると、世界各地の名物料理を紹介するグルメ本かと思いますが、開いてみると全然違います。著者は朝日新聞の中東・アフリカ総局長、編集委員を歴任された方で、彼が現役時代に取材したイラク、ソマリア、エジプト、アフガニスタン、旧ソ連など、現地で食べた思い出深い食べ物の話から、現在の国際情勢を切り取った本です。世の中知らないことばかり。「独裁国家だが生活の安全は保障された国と、独裁国家ではないが生活の安全が保障されていない国」はどっちが幸せなのだろうか。どうか日本が〝失敗国家〟の道を歩みませんように。2020/02/22
みこ
25
世界食べ歩き紀行、であるのだが取材地域は中東やアフリカといった紛争や貧困に生活が脅かされている地域である。明日の命が知れずとも人々は今日食べる、食べなくてはならない。そんな人の有り様を感じた。実際に当時接した人で現在連絡のついてない人も多いようだ。それでも食事の描写は私をスーパーのラム肉売り場に走らせるほど空腹感を刺激する。チョコレートであんなにお世話になっているガーナが経済も政情も不安定だったとは。元国家元首はナイスガイなのに。2019/10/28
seki
21
朝日新聞記者であった著者が中東やアフリカなどの紛争地域での人や食文化との出会い綴る短編ルポ集といったところ。「食べる」とタイトルにあるが、食の話はおまけといった感じで、政治・役人の腐敗、貧困など紛争地域の国が抱える問題を地域ごとにコンパクトにまとめてある。常に体当たりで取材をしてきた様子がありありとしており、筆者が訴えようとしていることの説得力はこの上ない。以前の著作「カラシニコフ」でもそうだったが、子どもまで銃を持たなければならない社会があるという現実。やりきれない思いである。2019/10/05
活字スキー
16
2007年まで朝日新聞社の特派員として主にアフリカや中東で精力的に取材を続けた著者が、思い出の食と共に各地を振り返る。ソマリアのパパイヤ、南アフリカの血詰めソーセージ、エジプトのウサギ肉入りモロヘイヤスープ等々、紹介されるものはだいたい美味しそうだけれど、それを味わったシチュエーションやお国の事情がヘビーすぎて「自分も食べに行きた〜い!」とはならなかった。全体的に朝日系ジャーナリストらしい重く真面目なトーンで、同じように変わった所で変わったモノを食べるにしても高野秀行さんとは全然ノリが違う。2022/07/15
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