出版社内容情報
90歳過ぎの老衰患者を無理やり延命させる意味はあるのか? 現役の臨床医がこの世の「良識」を嘲笑う。
「命はすべて平等」なんて大?です。90歳過ぎの老衰患者に点滴をし、ペースメーカーを埋め込んでまで「救う」意味はあるのか。数多くの死に立ち会った臨床医がこの世の「タテマエ」「良識」を嘲笑う。
内容説明
医学の進歩で、なかなか死ねない社会が到来した。しかし90歳過ぎの老衰患者に点滴をし、抗生物質を投与し、透析を行いペースメーカーまで入れて、なんのために「救う」のだ。数多くの死に立ち会ってきた著者は、今どきの「タテマエ」「良識」を嘲笑う。「命に上下は存在する」「患者の自己決定を信じない」「現代の医者は『死神』の仕事を担う」…現代人である「あなた」の死に方についての、辛辣かつ深遠な思索。
目次
褒めたら人は伸びるのか
ストレスはなくせない
自己決定の呪縛について
「自己決定尊重」の裏側
なかなか死ねない社会
がんのメリット
生身の医者は絶滅寸前
命に上下は存在する
引導を渡す役目を担う
あなたの臨終の枕元に立つ
気分の問題
二番煎じの価値
ピークのあとは下るだけ
著者等紹介
里見清一[サトミセイイチ]
1961(昭和36)年鳥取県生まれ。日本赤十字社医療センター化学療法科部長。86年東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院内科などを経て現職。日本癌学会・日本臨床腫瘍学会・日本肺癌学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
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calaf
15
最終判断を下すのがプロ。その判断には全面的に責任を持つべき。。。医者の話ではあるものの、自分の事に置き換えても成り立ちそう。でも、確かにその通りなのだけど、なかなか難しいなぁ...2015/02/21
ほじゅどー
11
★★★命に上下は存在するか?そこにあるのは綺麗事の人道主義だけではない。2015/06/21
桜父
8
医者は万能ではない。判ってはいるけど、入院患者にしてみればそうも言っていられない。今日の医療現場では、なかなか患者を死なせないのがよく判った。 もし自分が不治の病になったら、延命治療は行わず、在るがままに居ようと思った。最後の医療ドキュメント・ノベルは里見さんの有りの儘を映し出しているようで、楽しめた2015/02/26
fseigojp
8
これとNHK特集 生活保護4兆円の衝撃を読むと TPPはそう簡単に受け入れられんぞと思う EBMが根付きだしたのは、ほんの10年たらず、標準治療ガイドラインの作成は道半ば この急所を抜ければ 納得のいく医療を安価に受けられる世界唯一の国になるはず2014/12/22
おっくー
6
本屋で気になり、購入した本。医師の命の考え方に触れることができた。死の番人という表現で、最後を看取るのも医師の仕事。いつもは考えない命のことについて考える、良い機会であった。2015/09/17
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