新潮新書<br> 地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相

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地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106102738
  • NDC分類 916
  • Cコード C0221

内容説明

敵と撃ち合って死ぬ兵士より、飢え死にした兵士の方が遥かに多かった―。昭和十七年十一月、日本軍が駐留するニューギニア島に連合軍の侵攻が開始される。西へ退却する兵士たちを待っていたのは、魔境と呼ばれる熱帯雨林だった。幾度なく発症するマラリア、友軍の死体が折り重なる山道、クモまで口にする飢餓、先住民の恨みと襲撃、そしてさらなる転進命令…。「見捨てられた戦線」の真実をいま描き出す。

目次

第1章 大調査隊をニューギニアへ
第2章 餓死の序幕
第3章 命を吸いとる山を越えて
第4章 底なしの大湿地帯を行く
第5章 幻と消えた「あ号作戦」
第6章 ビアク島の玉砕戦
第7章 私の犯した「戦争犯罪」
第8章 敗戦と収監、そして日本へ

著者等紹介

飯田進[イイダススム]
1923(大正12)年京都府生まれ。昭和18年2月、海軍民政府職員としてニューギニア島へ上陸。終戦後、BC級戦犯として重労働二十年の刑を受ける。昭和25年スガモ・プリズンに送還。現在、社会福祉法人「新生会」と同「青い鳥」の理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

48
「永遠の0」なんかに感動してる場合じゃない! 南方に送られた兵士の死因は餓死がほとんど。85歳の著者が自らの体験と国会図書館の膨大な資料を元にニューギニア戦線を再現。新書サイズ(180p)にしたことで今どきの読者にも読みやすく書いてくれてます。でも内容はヘビーー。知っておくべきヘビー。野垂れ死にの実態。2016/07/19

skunk_c

22
著者は厳密には兵士ではなく、若くして行政官としてニューギニアに渡った。時は1943(昭和18)年。すでにガダルカナルは失い、戦局は明らかに日本に不利なこの時期に、兵站も考えず行われたニューギニアでの作戦。結果は1割にも満たない生存率の部隊もあったという。大半は餓死と病死。降伏を禁じた上で兵士を資源とすら扱わない軍上層部の愚かさが、このニューギニアやインパールの悲劇を生んだと断言できる内容。前半の各手記の再構成も真に迫るが、やはり最後の著者自身の体験談が胸に重く響いた。大岡昇平の『野火』を再読したくなった。2017/01/22

highig

19
( ^ω^)以前何かで読んだのだが、人間を最も殺す生き物というのはモスキート、つまりは『蚊』なのだそうだ。その殺傷力は圧倒的で二位の『人間』以下全ての生き物が殺す数を合算しても及ばない数になっていた事に少し驚いたのを覚えている。これは防疫の発達した21世紀の現代に於いてさえも未だにマラリアやデング熱といった感染症が熱帯、亜熱帯の途上国では根絶から程遠いという現実を示している。マラリアの発生先を地図で見てみるとやはり赤道に沿ったアフリカ諸国が圧倒的に多いのだが、日本から南に約四千六百Km、そこに未だ多くの→2018/02/26

こぺたろう

17
ニューギニア戦線を生き抜いた著者の記録。ガダルカナル島が「餓島」と言われるのは知っていましたが、ほど近いニューギニアでも同様に食糧が欠乏。兵站を疎かにする日本軍を、連合軍がギリギリと追い詰めていくところは、向き合うのが辛いくらいでした。共喰いもあったようで、極限状態になると、鍛えられた兵も原始に戻るというのが印象的。「おわりに」は、著者の魂がぶつかってくるような文章でした。2019/01/17

ochatomo

17
食料補給ない南方戦地へ送られ戦闘ではなく飢えで道々倒れそのまま置き去られた多数の日本兵について、資料と著者自身の体験をわかりやすくまとめて記し、「六十年前のことをすっかり忘れるような集団健忘症は、また違った形で、より大きな過ちを繰り返させるのではないかと危惧」、戦争の責任所在を問いかける 「歴史の闇に閉ざされてきたこのおぞましい事実を、白日の下に晒すことによって初めて、今後の日本のたどるべき進路が浮かび出て来るのではないでしょうか。」 一気に読めるので是非手に取ってほしい 2008刊2018/11/27

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