内容説明
漢字のルーツはもちろん中国だが、現在日本で使われている漢字は、長い年月を経て、さまざまな日本式改良が施された、わが国独自ものである。中国にはない訓読を駆使し、送り仮名という画期的な発明を加え、見事に日本語のなかに組み入れたのは、まぎれもなく、日本の英知なのである。日本ではじめて、日本語のための漢字辞典という画期的辞典を編纂した著者による、日本語の素晴らしさを実感できる漢字の話。
目次
第1章 漢和辞典はなぜ役に立たないか
第2章 斎藤さんと斉藤さん
第3章 三浦知良はなぜ「カズ」なのか
第4章 日本の漢字は素晴らしい
第5章 分解すれば漢字がわかる
第6章 常用漢字の秘密
第7章 人名用漢字の不思議
著者等紹介
小駒勝美[ココマカツミ]
1954(昭和29)年東京生まれ。新潮社校閲部勤務。慶応大学商学部、文学部卒業。日本語を読むための漢字辞典『新潮日本語漢字辞典』を企画、執筆、編纂した。1982年第十一回漢字読み書き大会青年の部第一位。漢字検定一級。JIS漢字委員会、校正記号委員会の委員を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Syo
34
こういうのも好き。 知っていることも 多いんだけど、 そうそうって感じ。 新潮日本語漢字辞典を 買っちゃうかどうか思案中。2020/08/27
501
19
著者は、漢和辞典は漢文を読むための辞典であり、日本人が普段接する漢字を調べるには使いづらい。だから、「現代の日本人が使うための漢字辞典」「漢和辞典と国語辞典いいところをあわせもった辞典」がほしいという思いから自ら企画、編纂し、新潮日本語漢字辞典作り上げたという。本書はそんな著者の日本の漢字への愛がこめられている。日本の漢字の素晴らしさを、漢字の博識をもってとくと説いており、その素晴らしさが伝わってくる。漢字の薀蓄集といったていで、部首の考え方など漢字の基本的な考え方や疑問がまとめられていて楽しかった。2021/11/24
みつ
16
『新潮日本語漢字辞典』の編者による一冊。第1章「漢和辞典はなぜ役に立たないか」では漢和辞典に採られる用語や索引について述べつつ、これまでの辞典の欠点を克服したとして、編纂した辞典の長所を伝えている。中では、漢字の意味を表す部分(「意符」。音を表す「音符」に対する。)が部首になる(p30)ため、「問」の部首が「門がまえ」ではなく「口の部」であると説明する箇所に膝を打つ。第2章以下は身近な漢字の雑学(「サイトウ」さんの「斉」と「斎」はもともと違う意味。p48)が楽しい。第6章は常用漢字についての話題。(続く)2021/12/23
ゆうゆう
10
漢字は日本語、中国から輸入され、長い時間をかけて「カイゼン」されて、日本語になった歴史やあれこれがわかる本。日本ではじめて、日本語のための漢字辞典という画期的辞典、これがいかに画期的だったのかわかる。漢検ちょっとチャレンジしたくなる。(ちょっとだけね)2022/04/04
𝓚𝓸𝓉𝓸
6
常用漢字表などの情報が6年前なので少し古かったですが、とても実になる本でした。最大の収穫は五行と十干の考え方と読み方が分かったことと、部首の覚え方を知ったこと。「新潮日本語漢字辞典」が欲しくなりました。2014/11/02