新潮新書<br> 西鶴という鬼才―新書で入門

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西鶴という鬼才―新書で入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106102509
  • NDC分類 913.52
  • Cコード C0223

内容説明

一日で二万句を詠み、十年で三十の人気作を著した元禄の鬼才・井原西鶴。醒めた眼で金銭を語り、男と女の交情をあますところなく描く。芸能記者にして自らも芸人、そしてエンタメ作家として人気を博した。評伝的史料は極めて少なく、実在さえ疑われることもあるけれど、芥川や太宰をはじめ数多くの作家と読者を今も魅了しつづける。仕事と人生を「鬼のような心」で全うした謎多きマルチタレントの実像に迫る。

目次

第1章 金銭を知る―経済小説家の眼
第2章 性愛を描く―ポルノ小説家の表現
第3章 芸道を究める―タレント作家の演技
第4章 奇想を生かす―エンタメ作家の技巧
第5章 人生を探る―西鶴の謎
文学に描かれた虚像と実像―あとがきにかえて

著者等紹介

浅沼璞[アサヌマハク]
1957(昭和32)年、東京都生まれ。俳人(主に連句)。法政大学文学部日本文学科卒。日本大学、法政大学、武蔵野大学講師。新連句形式「オン座六句」を提唱し、Web「連句パワー」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ほじゅどー

9
★★★芸能記者にして自らもタレント、そしてエンタメ作家。しかし、謎の多い井原西鶴の人間像。こんな文章も書いている。〈人の命は長いようで、翌朝にはどうなるか知れたものではない。その日の夕方には露と消えてしまうことだってある。だから、「天地は万物の旅の宿、月日は永遠の旅人、人生は夢まぼろし」と昔の詩人も言っている。人生などアッと言う間の煙。死んでしまえば金銀に瓦や石ほどの価値もない。あの世では何の役にも立たない。〉2015/06/29

ドリチン

6
(図書館本)西鶴に興味があったので読む。結局1日で一気読み。西鶴すごし。太宰治も「西鶴は世界で一番偉い作家である。」と書いただけある。作品を直接読んだわけではないが、世間や時代、風俗、人間の本質への細部に至るまでの洞察力がハンパない。西鶴自身のことは謎が多く、その人物像はミステリアス。個人的に大阪の生まれなのがとても親近感が湧いて嬉しかった。いやはや凄い人がいたもんだ。2016/04/21

ムク

1
元禄文化を語る上で外せない西鶴。教科書には載っていないその人生と仕事の詳細がよくわかる。★★★☆☆2013/10/30

ほたぴょん

0
ちょっと持ち上げすぎのようなところもあるが、ちょっと事跡が多方面にわたりすぎていてつかみどころがない西鶴という作家を、まずとっつかまえるには良い本だと思う。ちょっとかじったこともあるけど、原文はやっぱり読みづらくて挫折したので、こうした道案内は貴重。2017/12/12

壱萬参仟縁

0
西鶴は「多重人格」(168ページ)。これは、作家としてはやむを得ないパーソナリティであって、逆に、そうでなければ、多様で個性的な作風は描けないのであろう。評者もシナリオライトの面白さを最近知ったばかりだが、基本的に、作家たるもの、欲張りで、わがままな性格であっていいのではないか、と思うようになった。多くの人格に共感できるように読者に表現するために、奇抜な個性が不可欠なのだ。描きたいのは、いろいろなタイプの人間模様である以上、今でも彼の生きざまからも学ぶことは多いのではないかと思う。2012/06/29

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