出版社内容情報
指令:讀賣新聞社主ノ正力ト協力シ、親米世論ヲ形成セヨ。CIA文書が語る「対日情報戦」の全貌!
内容説明
一九五四年の第五福竜丸事件以降、日本では「反米」「反原子力」気運が高まっていく。そんな中、衆院議員に当選した正力松太郎・讀賣新聞社主とCIAは、原子力に好意的な親米世論を形成するための「工作」を開始する。原潜、讀賣新聞、日本テレビ、保守大合同、そしてディズニー。正力とCIAの協力関係から始まった、巨大メディア、政界、産業界を巡る連鎖とは―。機密文書が明らかにした衝撃の事実。
目次
プロローグ 連鎖反応
第1章 なぜ正力が原子力だったのか
第2章 政治カードとしての原子力
第3章 正力とCIAの同床異夢
第4章 博覧会で世論を変えよ
第5章 動力炉で総理の椅子を引き寄せろ
第6章 ついに対決した正力とCIA
第7章 政界の孤児、テレビに帰る
第8章 ニュー・メディアとCIA
エピローグ 連鎖の果てに
著者等紹介
有馬哲夫[アリマテツオ]
1953(昭和28)年生まれ。早稲田大学教授(メディア論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リキヨシオ
29
読売新聞を買収して社長となり、日本テレビ放送網の創始者にして初代社長となった「正力松太郎」は「総理大臣になる」という野心を持つ。一方で原子力大国アメリカはソ連やその周辺国の核武装を怖れて、アメリカ発による各国への原子力技術の提供、研究開発の協力によって自陣営への取り込んでソ連との覇権争いを有利に進めたいという思惑。日本の「原発」導入には「正力」と「CIA」の協力が始まりだった。2015/12/07
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
29
1950年代、第五福竜丸事件で高まった日本での反米感情を抑えるためのCIAの工作と、総理となるための武器として原発導入をもくろんだ正力松太郎・読売新聞社主の暗躍ぶり、そして両者のかかわりあいを解禁されたCIAの機密文書をもとに解き明かす。互いの思惑は紆余曲折をたどったが、原発の導入が個人的な利益のための道具とされ、それがいま全国に原発が林立する礎を築いたということにあ然とさせられる。その旗振りに読売新聞が動員された歴史も紹介され、今日の原発災害をとらえる上でも考えさせられるところが多かった。2011/06/18
糜竺(びじく)
27
読売新聞社社主だった正力松太郎の話。原子力の父、テレビ放送の父とも呼ばれた男。強烈な個性と、かなりアクの強い人物だと感じた。すごい野心家でエネルギッシュな人であることが伝わった。2022/05/23
軍縮地球市民shinshin
21
読売新聞の正力松太郎が首相になりたくてCIAに協力し、原発導入を首相就任前の「実績」にしたかったことが如実に記されている。この本を読むとワンマン社主だった正力が読売や日本テレビを使って自己にプラスになるようなニュースを流していたのかよく分かる。正力がいなければ東海村の原発はあんなに早くできなかったかもしれない。しかしCIAの諜報力はすごい。公文書を保存し公開するということは大変意義深いと感じた。本書で有馬先生は一般に有名になった感がある。2019/10/11
巨峰
20
正力松太郎という人は、読売新聞、日本テレビ、読売ジャイアンツで一般に知られているが、その一方で、政界のフイクサーであり、CIAの協力者であり、原子力発電の推進者であるという多彩な顔を持つ。アメリカに利用されるだけでなく自らの事業のため理想のためアメリカを利用しようとした。そのしたたかさは、是非、今の政治家も見習って欲しい2011/04/19
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