新潮新書<br> 江戸奉公人の心得帖―呉服商白木屋の日常

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江戸奉公人の心得帖―呉服商白木屋の日常

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106102424
  • NDC分類 672.1
  • Cコード C0221

内容説明

「接待や進物はほどほどに」「営業に出て私用を済ませるな」「会議中居眠りをするな」…。これは江戸でも五指に入る大呉服商、白木屋日本橋店の就業規則だ。白木屋で働く奉公人は、武士を公務員とすれば、さしずめ民間企業のサラリーマンといえるだろう。出世や給料の仕組み、衣服の決まり事、細かく定められた仕事内容など、当時のサラリーマンの姿を、約四百点の古文書から鮮やかに描き出す。

目次

第1章 奉公人のライフサイクル(入店は十一、二歳;入店二年目に退職が多発 ほか)
第2章 販売と掛金回収に励む奉公人(安全な現金売りを奨励;「通帳」の作り方 ほか)
第3章 仕入れや帳付けに気を配る奉公人(江戸店の買役は関東の生絹を仕入れる;場造と回る二月から五月までの春の仕入れ ほか)
第4章 奉公人の心構え(御詠歌を引いてわかりやすく;四恩に感謝して ほか)
第5章 奉公人の生活(奉公年数によって決まる服装;「子ども」の間は仕着せのみ ほか)

著者等紹介

油井宏子[アブライヒロコ]
1953(昭和28)年千葉県生まれ。NHK学園講師。東京女子大学文理学部史学科卒業。近世史や古文書の楽しさを各地の講座やシンポジウムで紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ようはん

19
少年の内に商家に丁稚奉公をして手代、番頭になっていくという話は聞いた事はあるけど手代までは真面目にやっていれば年功序列で今の20歳ぐらいでなる事はできる。とはいえそこまでが大変で病気で倒れる、近江から江戸に来る形になる為にホームシックにかかり脱落するケースも少なくはない。手代になれても金や商品を横領して逃亡、吉原の遊女に入れ上げる等の問題を起こす問題児は定期的に出て店側も厳しい規則を作る等苦労しなけれはならなかったのは生々しい。2024/11/02

tsubomi

5
2020.02.20-0319:呉服商白木屋の奉公人が幼少期に就職してどのようにステップアップしていくか、そしてそれぞれの年代や職種でどういう内容の仕事をしていたか、について実際の資料(古文書)から考察した一冊。途中で逃げ出したり店の金や品物を横領したりという人も出てくるし、江戸以外の地方都市まで仕入れに行ったり借金を回収に行ったり、近くで祭礼があるときには常連客を店先で接待したりしていて、興味深い点が多かったです。古文書を元に書かれていますが説明がわかりやすく、江戸時代の商家の毎日が目に浮かぶよう。2020/03/19

奇天

2
取り立てて目新しい内容というわけではなかったが、もっとも興味を持ったのは組織運営に儒教的精神が使われていること。それがどの程度浸透していたかは不明だが、庶民の中では商家が相性良いだろうね。奉公人同士のトラブルには触れていなかったが、いろいろと広がりを感じるテーマなので、関連の本も読んでみたいなあ。2015/07/28

Esperanza

2
うーん、読みやすいけどマニアック☆江戸時代の身分制度ガチガチのなか商家の奉公人をの中でさらに細かく身分があり何年も実家に帰れず奉公する強かな姿にやはりサラリーマンとは全くの別物だと思った。奉公人の心得云々は今でも通じる昔の人の精神☆とわざわざあげる美しいものではなく、単なる伝統的な日本人の道徳観だと思うが。2010/08/12

なかのっこ

1
危機管理に関しては今の時代とさほど変わらない印象を受けた。 あの時代に避難訓練をしていたとも思えないけど、火災時の速やかな行動が実現できたのは、それだけ実際に火事が多かったということか。2015/01/09

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