内容説明
輝きあるところには影がある。「ブランド品の原価は三百円」「エメラルドはサラダ油に漬けて着色する」「ダイヤモンドには放射線照射」「通信販売には要注意」等々、宝飾品業界に三十年以上身を置く著者が、知られざる業界の裏側を明かす。そこから見えてくる日本の宝飾品文化の貧しさとは―。
目次
第1章 ブランド品の原価
第2章 宝石の九割は「整形美人」
第3章 テレショップには要注意
第4章 現地販売は安くない
第5章 招待・接待販売の功罪
第6章 宝石選びは男の仕事
第7章 小売業者の勘違い
第8章 貧しき日本の宝飾文化
第9章 結婚指輪に飽きる理由
第10章 理想のジュエリーを手に入れる知恵
著者等紹介
内藤幹弘[ナイトウミキヒロ]
1940(昭和15)年静岡県清水市生まれ。日本ルーテル神学大学卒業。法政大学大学院修士課程修了。1975年に宝飾工房「弥馬屋」を設立。その後、宝飾品の国内卸業、海外輸出業に携わり、現在はオリジナル創作ジュエリーの製作・販売に専念している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
G-dark
17
せっかく宝飾品を買うのであれば、誤って偽物を買ってしまったり、欲しくない物を見栄や付き合いのために買って後悔しないで欲しい、タンスにしまいこんだりして日蔭モノ扱いしないで欲しい、お気に入りの宝飾品と出会って人生を活気づけて欲しい…、そんな著者の思いが込められた本。自分にとってより良い宝飾品を選ぶために必要な知識、ブランド品の原価・デザイン性・加工賃の関係、人工的に色を入れたり逆に色を抜くなどの「整形」を施された宝石の存在、通信販売のカラクリなどが紹介されています。2020/08/22
寝落ち6段
10
あなたはどういう価値観をもって買い物をしていますかと、問われる。宝石は人生においてそこまで重要なものではないと、私は思っている。単純に鉱物として興味はあるし、曰くとか言い伝えとか、そういうのを調べるのは好きだ。宝石はただの美しく輝く石でしかない。その石に何を見出し、何故その値段で買うのか、それはその人の価値観なのだろう。筆者は、ストーリーが大事だと言う。その石に、自分だけのストーリーがあるから大切にするのだろうし、無いならぞんざいに扱うのだろう。宝石は着飾るもの。着飾り方でその人の価値観が見えてしまう。2024/08/28
クナコ
7
初読。現代日本に流通するジュエリーについて。市場は大きくても文化は貧しいという、日本の宝飾品事情。漫画「七つ屋志のぶの宝石匣」既読のため大半の宝石に処理が施されていることは知っていたが、やはり消費者側としては「自然な」状態で最も美しい宝石が欲しい、と思ってしまうもの。処理の内実を明かされてしまうと購買意欲も下がってしまう。あらかじめ処理の有無や内容を知り納得ずくで購入すべき、という著者の考えに共感。またジュエリーは否応無く買い求めた時のストーリーを刻んでしまう、というのは目から鱗。機嫌良く買うべしとな。2023/03/18
shigoro
3
宝飾品はブランドの差で値段が決まり、原価はあまり反映しないのかぁ。「とりあえずティファニーで」みたいな部分は日本人はあるね。ブランド品を横並びで安心感を持ち、所有していることにステータスを感じからね。似合っているかどうかは2の次。この辺が宝石に対して貧しいといわれる所以だが、街中にある宝石商がなんか入りづらい雰囲気を醸し出してるのも、貧しくなった一つの原因だと思うけどね。2011/06/28
うたまる
2
利益率がバカみたいに高く、偽物が世に横行する、そんな怪しげな宝石業界についての内輪話。前半のインチキ暴露は面白く、本物さえイミテーション並みの加工整形をしていることに驚いた。天然モノと人工モノの境界線なんて曖昧だっていう訳か。後半の宝飾文化についてもまずまず愉しめる。自分は宝石に全く興味が無いけど、要は少年にとってのキンケシやガンプラみたいなものってことでしょ。物体そのものではなく、そこから生じる妄想やサイドストーリーこそが価値。分かる、それなら分かる。それじゃ、ご婦人方、経済力の許す範囲でお愉しみあれ。2017/03/10
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