新潮新書
反西洋思想

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106101823
  • NDC分類 104
  • Cコード C0231

出版社内容情報

ナチズム、毛沢東思想、「近代の超克」、イスラム原理主義・・・・・・。「西洋」を敵視して戦いを促す思想は、昔から絶えることがない。西洋はなぜ憎まれるのだろう?「敵」は西洋の何が気に入らないのか──。
コーラン、ドイツロマン主義、ロシア思想から、特攻隊の遺書やビン・ラディンの声明までを狩猟、「反西洋思想」に共通した要素をえぐり出す。現代史の難問に挑んだ画期的論考。

内容説明

ナチズム、毛沢東思想、「近代の超克」、イスラム原理主義…。「西洋」を敵視して戦いを促す思想は、昔から絶えることがない。西洋はなぜ憎まれるのだろう?「敵」は西洋の何が気に入らないのか―。聖書、コーラン、ドイツロマン主義、ロシア思想から、特攻隊員の遺書やビン・ラディンの声明までを渉猟、「反西洋思想」に共通した要素をえぐり出す。現代史の難問に挑んだ画期的論考。

目次

序章 オクシデンタリズムとは何か
第1章 西洋の都市
第2章 英雄と商人
第3章 西洋の心
第4章 神の怒り
終章 思想の相互汚染

著者等紹介

ブルマ,イアン[ブルマ,イアン][Buruma,Ian]
1951年、オランダに生まれる。東京、香港、ロンドンなどでジャーナリストとして活躍。2003年より米バード大学教授

マルガリート,アヴィシャイ[マルガリート,アヴィシャイ][Margalit,Avishai]
1939年、現在のイスラエルに生まれる。欧米の各地で研究生活を送る。ヘブライ大学教授。哲学者

堀田江理[ホッタエリ]
オックスフォード大学で国際関係の博士号を取得。米バード大学客員助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

63
西洋という言葉には現在多大な意味が含まれている。例えるなら資本主義、民主主義、科学的思考等。グローバルな視線で見た際、これらが現在の主流となっているのは誰もが否定できない。本書で解説されているのはそれを否定する反西洋という思想である。とはいえ本書の骨子となっているのは対立で、都市対田園、商人対英雄、物質対精神等がここで挙げられているが、読んだ印象では反西洋というより持たざる者のルサンチマンを感じる部分が多い。対西洋という思想よりむしろ最近顕著となっている格差の問題で読み解いた方が面白そうではあった。2020/11/01

羊山羊

14
反西洋思想=オクシデンタリズムと定義してその共通パターンを見出すことに挑戦する1冊。流石にちょっと古いが、Qアノンやテロリスト等の危険思想、団体の分析に有効な本。テロリストと日々最前線で戦い続けるイスラエルの研究者らしい本。本著中で著者らは西洋思想の合理性、普遍性(帝国主義性?)、拝金主義を引いて、オクシデンタリズムが持つユートピア的思想が西洋思想によってガス抜きされる、それこそがオクシデンタリズムにとっての脅威であると喝破する。 2022/01/17

Takayuki Oohashi

14
私たちが西洋に対して持っている物質主義的だとか、拝金主義だとかいうようなマイナスのイメージを極端化した所から、反西洋思想(オクシデンタリズム)というのが生まれ、それが文化大革命や特攻隊のような非人間的な現象を起こしたというのが、この本を読んだ後の僕の要約です。書いた作者の一方の方は哲学者だそうですが、カントやサルトルのような難しい概念的なことを言っているわけではなく、平易に実例に基づいてその思想のことを説明していました。文豪ドストエフスキーにもこのような思想の一端が見られるという指摘にはハッとしました。2016/07/25

うえ

8
「ゾンバルト、ユンガー、シュペングラーなどのドイツの思想家たちにとって、ブルジョア階級の最も軽蔑すべき点は、生命にしがみつき、高い理想のために死ぬことを躊躇し、暴力的闘争から逃れようと躍起になり、人生の悲劇的要素を否定しようとするところだった。商人はまったく高い理想を持たず、あらゆる意味で表面的である。プチブルであれ、世界を股にかけるビジネスマンであれ、興味を持っているのは己の欲望を満足させることだけ。そして、個人的欲望は「高慢な道徳を求めようという感覚の基盤や、理想に対する信念を掘り崩す」ものだった。」2021/07/14

おおにし

4
この本を読むまで日本の特攻隊志願兵の大半がエリート大学の人文系の学生だったという事実は気がつかなかった。大学で西洋の宗教、哲学、文学などを学んだ彼らは、自己犠牲を西洋の概念から正当化しようとしていたという指摘は大変興味深い。日本人は特攻隊精神を武士道、愛国心、天皇制などに結びつけてとらえがちですが、こう言う見方もあるのだと新鮮に感じました。2011/05/18

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