内容説明
狭心症に心筋梗塞、大動脈瘤―、がん・脳血管疾患と並んで日本人の三大死亡原因である心臓病。高齢化によりさらに増えつつある心臓の病気で死なないための知識を、四十年以上の臨床経験を誇る心臓外科の権威がやさしく説く。ダ・ヴィンチやリンドバーグも登場する心臓の歴史、機能とトラブル、心臓にいい生活、治療の最先端、そして患者の心得など。心臓に不安のある人もない人も、胸がすっきりする一冊。
目次
はじめに 今なぜ「心臓にいい話」なのか
1 意外に知られていない心臓の知識
2 心臓外科の歩み
3 心臓はどんな病気になるか
4 心臓の状態を知るために
5 心臓病はこうやって治す
6 健康な心臓をつくる
7 もしも心臓病にかかったら
8 どうしても伝えておきたいこと
おわりに 「40歳の成人式」のすすめ
著者等紹介
小柳仁[コヤナギヒトシ]
1936(昭和11)年新潟県生まれ。国立循環器病センター心臓外科主任医長、東京女子医科大学循環器外科学教室主任教授、聖路加国際病院ハートセンター長を歴任。日本胸部外科学会名誉会長、米国胸部外科学会正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
B.J.
12
●心臓 :心膜液で満たされた心膜に包まれている。 →この心膜は、心臓を保護する役割を果たす袋。▼この袋の中に、心臓が絶え間なく動いてもこすれないように、心膜液という潤滑油が入っている。 ●安静時に約70回拍動し、1回毎に出て行く血液は約70ml。すなわち最低でも毎日10万回も収縮を繰り返して、7千リットルもの血液を全身に送っている。心臓から流れ出た血液は、30秒ほどで全身を巡って再び心臓に戻ってくる。・・・本文より 2020/02/21
Humbaba
2
心臓は人間にとって最も大切な器官の一つである.しかし,あるいは大切だからこそ,心臓に関する研究は進んでいなかった.今のように心臓の手術ができるようになったのは,わずか半世紀ほど前のことである.2011/06/05
編集兼発行人
0
医学的な面から捉えた心臓に関する基礎知識。血液を三十秒で体内に一巡させるための「ポンプとリズム」機能に過ぎない単純な構造であるが故に異種の心臓を移植できる可能性があることや移植後の心臓は脳からの神経が及ばない独立した機関と化すこと等「心臓観」が変化する概説が多数。医学を技術的な面から純粋に発達させようとすれば倫理学とは無縁の世界で取り組まなければならないという冷徹な悩ましさと格闘する様を垣間見る中で著された「限りない理解と技術に支えられながら人を最後まで励ますのが医師の仕事である」といった趣旨の件に同意。2013/02/25
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