新潮新書<br> 「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史

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「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史

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  • サイズ 新書判/ページ数 182,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106100840
  • NDC分類 204
  • Cコード C0221

内容説明

マッカーサーの「日本人は十二歳の少年」という発言や、「エコノミック・アニマル」「ウサギ小屋」といった言葉は、日本人をネガティブに評する際に使われる決まり文句である。しかし、実はこれらの言葉に批判的な意味はなかった。日米開戦のきっかけになった誤訳、ダイアナ妃の招いた誤解、世界には通じない「グローバル・スタンダード」の意味等、近現代史のさまざまな場面での誤解、誤訳を紹介する。

目次

第1章 「日本人は十二歳」の真意―この一言で、マッカーサー元帥は日本人に嫌われてしまったのだが…。
第2章 「エコノミック・アニマル」「ウサギ小屋」は悪口か―二つの言葉には、日本への意外な高評価が隠されていた。
第3章 アーネスト・サトウと山下将軍の無念―外交の場では小さな勘違いが致命傷になる。そこに悪意はなくても…。
第4章 暗号電報誤読の悲劇 日米開戦前夜―悪意に溢れた米国側の「誤訳」が、日米開戦のきっかけだった!
第5章 漱石の鬱屈、魯迅の感動―イギリスで屈辱を味わった文豪と日本の人情に触れた文豪。
第6章 ダイアナ妃とブッシュ・シニアの文法―世界を揺るがせたプリンセスの三人称。大統領が見せた言語学の知識。
第7章 存在しない「グローバル・スタンダード」という言葉―政財界がお題目にした「基準」は、日本でしか通用しない言葉だった!
第8章 ブッシュ・ジュニアの国連演説―単数か複数か、それが大問題だった。イラク戦争を巡る駆け引き。
第9章 騒動の中心はたったひとつの言葉―「うすのろ」「強情者」呼ばわりで大統領も首相も激怒。

著者等紹介

多賀敏行[タガトシユキ]
1950(昭和25)年三重県松阪市生まれ。一橋大学法学部卒業。ケンブリッジ大学法学修士号取得。74年外務省入省後、在マレーシア大使館、国連日本政府代表部勤務。在ジュネーブ日本政府代表部公使などを経て、在バンクーバー総領事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nagatori(ちゅり)。

19
エコノミック・アニマルって最近聞かないよなぁ、いつから聞かなくなったっけ?とそこからこの本へ入って行ったので、そもそもこの言葉の現在一般に広く流布されている意味合い自体が誤訳誤認から生まれたなんて、のっけから固定概念をひっくり返された感じ。ウサギ小屋も同じく。言葉を発信する側の意図、受け取る側の意図、それだけでもややこしいのに更にそれに“翻訳”というブラックボックスが入るんだもんな。あぁ。言葉って難しい。2019/12/09

くろまによん

6
物事の裏側というか、正しく理解されないことってたくさんあるんだなぁという感想。言葉は意外と正しく伝わらない。なかなか示唆に富む本。2017/11/09

スズツキ

3
あらすじにあるような言葉の数々は否定的な意味でとらえられているが、本当の真意は別のところにあったというのが趣旨。その意味を本人に問いただすことやバックグラウンドを知らない人間が批判ありきで揚げ足取り的に取り上げることは実に恐ろしいものよのぅ。2015/03/17

刻猫

2
単なる誤りであったり、意図的な読み替えであったり。言語感覚、コミュニケーションの問題。悲劇的、喜劇的なすれ違い。語法や文法に忍ばせた、政治的なテクニック。ソースに当たっていく検証によって、言葉を巡るダイナミズムを味わう。2017/04/20

Satoru Moriaki

2
Kindleセールがきっかけで購入。期待以上に面白かった。誤解や誤訳に至る背景を紐解く過程が非常に興味深い。定冠詞の使い方や和製英語など、改めて「日本人と英語」について考えさせられた。英語を学んでいる人に薦めたい本かも。2013/05/05

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