出版社内容情報
権威の代弁者か、象徴の伴走役か、消費に走る商業主義か? 大正デモクラシー、人間宣言、ミッチー・ブーム、自粛と崩御、生前退位――重要な局面に際して皇室とメディアはいかに相対したのか。時に協調、時にバッシングに振れる皇室報道の裏側とは。注目の天皇制研究者が新聞、月刊誌、ラジオ、テレビ、SNSなどの豊富な実例から両者のダイナミックな関係を読み解いた画期的論考!
内容説明
蜜月から倦怠期、激しい対立まで。揺れ動く関係の本質とは?大正デモクラシー、人間宣言、ミッチー・ブーム、自粛と崩御、生前退位―重要な局面に際して皇室とメディアはいかに相対したのか。時に協調、時にバッシングに振れる皇室報道の裏側とは。注目の天皇制研究者が新聞、月刊誌、ラジオ、テレビ、SNSなどの豊富な実例から両者のダイナミックな関係を読み解く画期的論考!
目次
第1章 大衆社会の成立と天皇制
第2章 天皇制はいかに維持されたのか
第3章 皇太子ブームからミッチー・ブームへ
第4章 「権威」側からの逆襲
第5章 「象徴」を模索する
第6章 「自粛」の構造
第7章 「開かれた皇室」と反発
第8章 「平成流」の定着
著者等紹介
河西秀哉[カワニシヒデヤ]
1977年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(歴史学)。名古屋大学大学院人文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
11
皇室とメディアとの関わりは、調和を取りながら、時に反発するという、ふたつの間で揺れ動く感じで、歴史を重ねていった。明治時代から令和の現在まで、時代の移り変わりによって、またメディアの発達によって、報道のやり方は多彩なものになり、身近なものになっていく。その歴史を紐解くヒストリー。親しみのある写真も、バッシングも、どれも皇室の姿。タブーもあるが、ネットやSNSの時代のこれからは、どうなっていくのか。2025/03/27
マウンテンゴリラ
1
本書は、タイトルに示されるように、メディアとの関係を軸とした、主に昭和・平成・令和三代にわたる皇室の歩みを示したもので、その最大のテーマとして、「象徴」の意味とその在り方を描いたものであると感じた。メディア論という視点で読めば、「権威」と「消費」のバランスの中で皇室をどのように捉え、民衆に伝えるか、ということが最大のテーマであり、著者自身も主にそれを意識して書かれたのかもしれないが、そこは、読者の解釈の自由度ということに免じて、主観的にではあるが、皇室の側の「象徴」の在り方をめぐる葛藤を、メディア→(2)2025/03/30
伊達者
1
権威と消費をキーワードに戦後の皇室とメディアの関係を追った本でこれを読むと以前読んだ比翼の象徴のことが気になってくる。後者がやはりずっと皇室寄りという感じかな。ただ学者らしくキーワードで整理しているものの必ずしも成功はしていない感じもする。しかし保守系の天皇観はこの切り口でより理解しやすくなったように思える。上皇の退位問題は意外とあっさり扱っている。一部メディァに偏った宮内庁のメディア戦略も良く見えてくる。2025/01/26
horada
0
**2025/06/03
Y_Kuroyanagi
0
20250202ー202502092025/02/09