出版社内容情報
「この国にはモノサシがない」――碩学のふたり、ブツクサと大放談! 「日本には人命尊重という概念がない」「有事になると希望的観測で動く」「損切りができない」……この国を動かす「空気」の正体を断じる。「SDGsはただのスローガン」「AIの予測はだいたいはずれる」「カーナビは人間の感性をダメにする」……流行りものにも物申す。84歳と75歳が、日本のほんとうの難題を語り尽くす。
内容説明
怖いモノなし、84歳と75歳が語り尽くす、シン・ニホン論。
目次
第1章 この国にはそもそも「モノサシ」がない
第2章 お金と頭は使いよう
第3章 AI化する人間
第4章 非戦闘的有事に備えよ
第5章 安全保障としての環境問題
第6章 環境問題と経済成長は表裏一体
第7章 流域思考とカーナビ思考
第8章 日本人の幸せって
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937(昭和12)年、鎌倉生れ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。1989(平成元)年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞
池田清彦[イケダキヨヒコ]
1947(昭和22)年、東京生れ。生物学者。東京教育大学理学部卒。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。山梨大学、早稲田大学名誉教授。構造主義生物学の地平から、多分野にわたって評論活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かんらんしゃ🎡
36
炎上恐れぬ物言いは「そこまで言って委員会」、言っ放しは「ホンマでっか」 AI、安全保障、環境問題からコロナ、戦争、SDGsまで多岐にわたっての時事放談。もう怖いものなしの爺ぃ放談だ。因みに共著の池田清彦氏はホンマでっかの池田先生。お二人ともそこそこの歳なんだけど新しい技術や世界に精通し、脳がすごく若い。そのことに一番刺激を受けた。2022/09/26
さきん
25
虫つながりでとても相性の良い二人。久しく二人の対談出ていなかったので、楽しく読ませてもらった。老人に続けてほしいのは、ぼやき続けること。脳が活性化されてボケにくくなるほかにぼやきを聞く若い者にとっても勉強になる。反政府な発言したがるのは流石骨の髄まで団塊の世代な池田氏だが、構造生物学を唱える氏のことは憎めない。2023/01/07
Tomomi Yazaki
22
怖いもの知らずの二人の重鎮が物事の本質を掴んでズバリ本音で対談する。さてさて、どんな話が聞けるのでしょうか。まずはコロナワクチン。壮大な人体実験の結果、メッセンジャーRNAに問題がないことが分かった。と同時に、今後検査に引っかからないドーピングも可能となってしまった。そりゃ大変!CO2削減のための電気自動車。でもその電気を作るのに、大量のCO2が出る。本末転倒!などなど。もうすぐ死ぬから忖度せずに、言いたい事実を言ってしまう。年寄りが本気になったら、それ以上怖いものはないですね。2022/09/02
ハチ
11
養老さんか池田さんのファン以外手に取らないであろう対談。放言に次ぐ放言で、老害ギリギリのインハイに170km/hの豪速球が投げ込まれる。 ただ、何かを考えるときに、全体像や歴史からの流れを汲みながら、枠組を組み立てるという当たり前過ぎる事が1番難しく、長く行きた人が言う価値はあるなあと。バランス感覚やモノの見方が参考になる。2023/07/25
coldsurgeon
8
養老孟司と池田清彦という二人の論客の、世間の風をあまり気にしない論点は、面白い。二人が語る内容が同じという分けではないが、世間との同一性になじんだ心には、とても刺激的である。自然災害、疫病や戦争という日常性を破壊する出来事の、その後の日常性の回復と意地が真の問題であるという指摘には納得する。1年先ではなく、10年、20年先の日本の未来を考えなくてはいけないのだ。2022/09/29