出版社内容情報
愚者の「助け」だけがもたらす希望――賢治が創造した物語世界の原理を解き明かし、いまを生きる私たちの倫理を問う、画期的批評。
内容説明
ほとんどの作品を「未定稿」のまま遺した宮沢賢治。生涯にわたり書き換え続けられたその手稿が示す「揺らぎ」と可能性を丹念に追うなかで、賢治世界=イーハトーブのまったく新しい姿が見えてきた。石、風、火山、動物などの実在物や、心象、未完といった構造に隠された賢治の創造原理を解き明かし、いまを生きる私たちの「倫理」を問う、画期的批評。
目次
1 太平洋にタイタンは要らない―“海”について
2 模倣の悦び―“動物”について
3 風聞と空耳―“風”について
4 天と内臓をむすぶもの―“石”について
5 愚者たちの希望―“デクノボー”について
6 内なるレンブラント光線―“心象スケッチ”について
7 方角の旅人たち―“北”について
8 終わらない植民地―“未完”について
9 無可有郷からの通信―“ユートピア”について
10 血、虹、半影の夢―“死”について
著者等紹介
今福龍太[イマフクリュウタ]
文化人類学者・批評家。1955年東京に生まれ湘南で育つ。1980年代初頭よりメキシコ、カリブ海、アメリカ南西部、ブラジルなどに滞在し調査研究に従事。その後、国内外の大学で教鞭をとりつつ、2002年より群島という地勢に遊動的な学び舎を求めて「奄美自由大学」を創設し主宰する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
❁Lei❁
ポカホンタス
Sherlock Holmis
まおまお