出版社内容情報
一体それは何なのか? なぜそれほど重要なのか? 熟達の科学ジャーナリストが、発見の物語から時空間の本質まで分かりやすく説く。
内容説明
アインシュタインがその存在を予言したのが約100年前。観測を始めておよそ50年で、人類はそれを捉えた。ここから、今まで知ることができなかった宇宙の謎の解明が始まる。重力波がどんなものかが分かれば、宇宙の成り立ちが理解できてくる。熟達の科学記者が、重力波発見にいたる物語から時空間の本質まで分かりやすく説く。
目次
第1章 重力波とは何か
第2章 宇宙とは何か
第3章 時間とは何か
第4章 時空とは何か
第5章 見つからなかった重力波
第6章 追いかける日本
著者等紹介
高橋真理子[タカハシマリコ]
東京生まれ。朝日新聞科学コーディネーター。東京大学理学部物理学科卒。1979年に朝日新聞社入社、岐阜支局、東京本社科学部、出版局「科学朝日」編集部などを経て、論説委員、科学エディター(部長)、編集委員など。2002年から07年まで世界科学ジャーナリスト連盟理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユーモ
20
アインシュタインがその存在を予言してから約100年、ついに人類は重力波わ観測することに成功した。本書は重力波とは何かということから、観測に至るまでの歴史を説く。この歴史というのもなかなか面白い。重力波観測に至るまでには多くの物理学者が関与している。幾度も壁にぶち当たりながら、逆境を跳ね除けてきた科学者たちの奮闘は熱くなれる。ただ、アインシュタインの相対性理論は本来数式でしか表せないものを無理に言葉で説明しているため婉曲して伝わってしまっているのが残念でならない。2017/12/18
りょうけん
13
<悪> ひょんなことから重力波に興味を持ち始めた僕は,東大理学部出身の元朝日新聞女性記者が書いた重力波の本 が『新潮選書』から出ている事を知って手に取った。著者の名前は高橋真梨子さん,いや真理子さん ”真理” である。こりゃ根がいいかげんな僕にとっては,かなりの難敵になるのだろう。いや自分で選んだ本なのだから”敵”ではないかw。すまぬ。 2021/07/01
yo
11
今年ノーベル物理学賞を受賞したのは、「重力波の検出」だった。去年論文が発表されてから、この重力波検出というのがどんなインパクトを持った発見なのかを解説する。重力波とは重力が発生させる時空の歪みで、相対性理論によれば実在するはずだとされていた。しかし、実験によって検出ができなかったため、アインシュタインでさえ、その実在を疑問視せざるを得なかったりなどしたものだ。それがついに、しかもはっきりと疑いなく検出されたことで、相対性理論も完成を見ることになった。こういったことを易しく解説する本としてとても読みやすい。2017/11/05
やま
10
順番に丁寧に重力波までの流れを説明している。わかりやすいぶんたいでとっつきやすいと思った。MAXWELLの方程式って懐かしいし、こんな意味だったんだ。 重力波をどのように検知するか、しのぎを削る話が面白いが、こんな金額で驚いたけどミサイルに比べれば安いんだろうね。2017/11/03
プラス3
10
今年で5冊目の重力波本。今まで読んだ重力波関連の書籍が程良くブレンドされたような内容。物理学史の記述がやや冗長に感じる以外は、易し過ぎず詳し過ぎずの難易度で、分量もそこそこの良い入門書。2017/10/18