新潮選書<br> 石油と日本―苦難と挫折の資源外交史

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石油と日本―苦難と挫折の資源外交史

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037689
  • NDC分類 568.09
  • Cコード C0331

出版社内容情報

石油のない日本の宿命「資源外交」。米国に脅され、アラブに逃げられ、中国には油田を横取りされた。理念なき失策と迷走の一五〇年。

無資源国・日本が背負った宿命の一五〇年――果たしてそこに理念はあったのか。近代より続く『石油の時代』にあって、石油を持たない国・日本は 「資源外交」に身を投じるしかなかった。そこは国同士がエゴを?き出しに衝突し、謀略を巡らす現場。莫大な時間と金、時には人の命も費やして、いったいこの国は何を得てきたのか? 日本の行方を左右した交渉、開発、投資――その僅かな栄光と数多の蹉跌。

内容説明

無資源国・日本は、先進国であるために、「資源外交」に身を投じた。そこは国同士がエゴを剥き出しに衝突し、謀略を巡らす現場だ。アメリカに脅され、アラブに逃げられ、そして中国は奪っていった…。莫大な時間と金、そして人の命を費やして、この国が得たものは何か!?今後の日本が進むべき道を問う、「石油の呪縛」に苦悩し続けた近現代史。日本の「資源外交」、その敗北の根源を知る!

目次

第1章 日本と石油の出会い(古代史の中の石油;「日本は産油国なのでしょうか?」 ほか)
第2章 世界の石油を求めて(久原房之助と「アジア」先遣隊;志賀重昴と未知の世界「中東」 ほか)
第3章 石油と太平洋戦争(経済制裁;オレンジ計画 ほか)
第4章 アバダンに行け(PAGという名の支配者;反骨者 ほか)
第5章 野心と幸運の大風呂敷(クウェートからの吉報;満州太郎 ほか)
第6章 オイルショックと田中角栄(トイレットペーパー狂奔;田中角栄の資源外交 ほか)
第7章 砂漠に染み込んだ一兆円(ショー・ザ・フラッグ;イラン・イラク戦争の果て ほか)
第8章 石油と投資(カフジ油田の紅い絨毯;利権更新の前哨戦 ほか)
第9章 アザデガン油田の蹉跌(四日間の幸福;途轍もないアザガデン油田 ほか)

著者等紹介

中嶋猪久生[ナカジマイクオ]
1947年三重県四日市市生まれ。一橋大学経済学部卒。東海銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。国際部(国際金融・企画)、国際審査部、バハレーン駐在事務所長等歴任。在職中、外務省国連局(兼外務省機能強化対策チームメンバー)等へ出向。その他、エネルギー総合推進委員会GCC諸国動向調査委員会委員委嘱、明治学院大学国際学部非常勤講師等を経て、現在、日本エネルギー経済研究所中東研究センター外部研究員、関西大学非常勤講師(国際金融論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

inarix

11
「…石油なくしては、中国との戦争を成功裡に終結させることもできず、国として生き残ることもできない。…(ハル・ノートを)受取った時、我々はもはや一国家として存続することができないと決断した。そこで我々は戦ったのだ」 資源を持たない日本が活路を求めた国内外の石油油田発掘と資源外交。しかしそれは戦争の引き金ともなった。最大の失策太平洋戦争を軸に、石油の発掘、獲得、輸入に尽力した「石油人」と呼ばれた人々の苦難と挫折の150年と、今後日本の進むべき道を問う近現代史。正に欧米各国の正体見たり、という感。知ってたけど!2017/12/27

ヨクト

8
石油列島国である日本の石油の歴史。石油が主要エネルギーの座について未だ200足らず。エネルギーを求め、戦争や外交が行われた。出光佐三の反骨心が日本の石油の道を作り、経済成長を支えた。田中角栄政権時のオイルショックと外交。技術革新や代替エネルギーが生み出される中で、石油はこれからどうなるのだろうか。2019/05/19

しおり

6
すごく面白かった。石油のことを全く知らないと思い知らされた。明治期の日本は自国のことを産油国と思っていたらしくそこが面白かった。消費量を自国で賄えず目は海外に移っていく……石油という切り口で見ると違った視点や先人の努力が分かった。後半は自主開発油田への試み。外交・技術の未熟さ、大手石油メジャーとアメリカ様の圧力、無資源国という後のなさ……などなど困難に困難を重ねてやっとほんの少しの成功を手に入れた感じ。石油開発会社が天下り先になったから動きが鈍くなったみたい。経済用語が難しくてもっと勉強が必要だと思った2020/04/09

なーちゃま

3
現場を見てきた人の凄味ってこういうこと。戦前、戦後、オイルショック、全て経て、石油を自国で自前で持つことの努力をいかに現場の人間がやってきたのかを説いている。あと何周かしそうな感じだ~~2022/11/09

anaggma

3
満州に石油あったんだ。出光佐三のファンになりそう。2018/12/27

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