新潮選書<br> 反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体

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新潮選書
反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037641
  • NDC分類 192.53
  • Cコード C0316

出版社内容情報

民主主義の破壊者か。格差是正の救世主か。米国のキリスト教と自己啓発の歴史から、反知性主義の恐るべきパワーと意外な効用を描く。

民主主義の破壊者か。あるいは格差是正の救世主か。アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強いのか。なぜキリスト教が異様に盛んなのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、米国のキリスト教が育んだ「反知性主義」にある。反知性主義の歴史を辿りながら、その恐るべきパワーと意外な効用を描く。

内容説明

アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強いのか。なぜキリスト教が異様に盛んなのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、アメリカで変質したキリスト教が生みだした「反知性主義」にあった。いま世界でもっとも危険なイデオロギーの意外な正体を、歴史的視点から鮮やかに描く。

目次

第1章 ハーバード大学 反知性主義の前提
第2章 信仰復興運動 反知性主義の原点
第3章 反知性主義を育む平等の理念
第4章 アメリカ的な自然と知性の融合
第5章 反知性主義と大衆リバイバリズム
第6章 反知性主義のもう一つのエンジン
第7章 「ハーバード主義」をぶっとばせ

著者等紹介

森本あんり[モリモトアンリ]
1956年、神奈川県生まれ。国際基督教大学(ICU)人文科学科卒。東京神学大学大学院を経て、プリンストン神学大学院博士課程修了(組織神学)。プリンストンやバークレーで客員教授を務める。国際基督教大学牧師、同大学人文科学科教授等を経て、2012年より同大学学務副学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

111
アメリカで発生した反知性主義について、キリスト教の伝播していった歴史を踏まえて丁寧に解説した本です。単に知性に反対するということではなく、知性と権威が合わさり固定化することに対する、平等主義的な反論が反知性主義だという指摘は、なるほどと思いました。来年には大統領選挙があって誰が次期大統領になるか興味のある中で、アメリカという国を成り立たせているものを知る事ができてとても良かったです。2015/12/30

うえぽん

62
現東京女子大学長の神学者による米国における反知性主義の解説。17世紀半ば以降の初期ピューリタンはOxbridge等の大卒がほとんどで、Harvard, Yale, Princetonは、その後継牧師の養成学校として誕生。反知性主義の前提はそうした知性と権力の固定的結び付きへの反発にあるとする。今のメガチャーチの淵源は、1730年代から少なくとも3度の波があった宗教的平等主義を基とする信仰復興運動であり、印刷業の勃興やビジネス精神により全米や世界に広がったという。読後はトランプ節の受け止めも変化するだろう。2025/04/29

あらたん

59
とても面白かった。反知性主義のイメージが変わった。反知性主義とはエリート支配に対する否定であり、知性そのものへの否定ではない。知性の根拠を聖書に求めるのか科学に求めるのかの違い。それは反カトリックで始まったアメリカの成り立ち(=平等への信仰)に深く根差したもの。新しい移民国家であるアメリカだからこその対立軸。 また、約200年前の大統領ジャクソンと現代のトランプの類似性にも驚かされた。歴史は繰り返す。 2024/04/22

マエダ

59
本来反知性主義は知性そのものへの反対でなく、それに付随する何かへの反対で、社会への不健全さよりもむしろ健全さを示す指標であったという。最近よく聞く反知性主義に対して歴史から学べる一冊。2019/10/21

harass

58
題名の言葉は日本のと米国のでは意味合いがかなり違う。米国キリスト教は建国から独自の歴史があり、その結果の社会変化を描く。個人の自立心と神の前では誰もが平等であり、既存の学歴や知識などは判断の基準にはならない考えが生まれた。貴族的な知識人よりも学はなくても人当たりや口が巧い人間を好むようになったのだった。帯の文は売らんがためのまさに煽り文。本文でそんなニュアンスはどこにもない。建国からテレビ説教師と似たようなのはいたのねと驚く。全然関係ないが、この著者は名前から勝手に女性と思っていたので写真をみて驚いた。2016/08/09

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