新潮選書<br> 謎とき『ハックルベリー・フィンの冒険』―ある未解決殺人事件の深層

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新潮選書
謎とき『ハックルベリー・フィンの冒険』―ある未解決殺人事件の深層

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037627
  • NDC分類 933
  • Cコード C0395

出版社内容情報

なぜハックの父は殺されたのか、くり返される死の逸話、結末に潜むごまかし……名作冒険譚は、実は“父殺し”を描く推理小説だった!

名作冒険譚は、作者マーク・トウェインのトラウマを描くミステリーだった! 作中、何者かに殺されたハックの父。その犯人が見つからぬままに終ってしまうのはなぜか? 執拗にくり返される死にまつわる迷信や逸話、その隠喩に込められた真の意味とは? そして周到に仕組まれた結末の「ごまかし」とは? ??父殺し?という観点で読み直してみると、秘められたトウェインの驚きの過去が露わとなる――。

内容説明

作中、何者かに殺されたハックの父。その犯人が見つからぬまま終ってしまうのはなぜか?執拗にくり返される死にまつわる迷信や逸話、その隠喩に込められた真の意味とは?そして周到に仕組まれた結末の「ごまかし」とは?名作冒険譚は、作者マーク・トウェインのトラウマを描くミステリーだった!

目次

序章 推理小説だった『ハックルベリー・フィンの冒険』
第1章 ハックルベリー未解決殺人事件
第2章 足跡と探偵小説群
第3章 十字
第4章 解剖―トウェインのリンゴ
第5章 禁止と誘惑
第6章 余白のエディー
第7章 霧の中で起きたこと
エピローグ フロイトが読むトウェイン

著者等紹介

竹内康浩[タケウチヤスヒロ]
1965年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒業。一橋大学大学院助教授、奈良女子大学大学院准教授などを経て、北海道大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fseigojp

24
父殺しといえば ドストエフスキーと思っていたら。。。。トウェインもそうだった 当時、解剖がどうして必須だったか いまひとつ不明2016/04/08

とうゆ

17
「ハックルベリー・フィンの冒険」で殺されたハックの父親パップ。彼を殺した犯人は、小説内では明かされない。著者は、これを重大な謎とする。トウェインとその父との関係性、「ハックルベリー・フィンの冒険」と他のテキストとの関連、出版の際に消された挿話。これらを手掛かりに、その重大な謎が解き明かされていく。一つ不満なのは、フロイトとの関係性をエピローグに持ってきたことだ。正直言って、ここは余りにも自説に都合のいい方に考えすぎているとしか思えない。フロイトがなくても、この本は一つの物語として完成していただろうに。2015/06/25

maimai

9
ちょっとまえに『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んだので、その流れで。なるほど面白い。ただ、期待していたのは『「こころ」大人になれなかった先生』(石原千秋・みすず書房)のような、テクストの緻密な読み。それに比べると本書の読みの対象は『ハックルベリー・フィンの冒険』にとどまらず、『トム・ソーヤーの冒険』をはじめとするトウェインの諸作や周辺の資料にまで及ぶ。著者の興味の対象は『ハック』というよりは著者トウェインの深層であって、まあそれはそれで興味深いのだが……。2016/10/18

月をみるもの

6
フロイトとかエディプスとか、もうおなかいっぱいだよ、、という人にこそ読んでみてほしい。禁止されないとワクワクしない=ミステリー。制約のないところには自由がない=SF。ということで、次は「アーサー王宮廷のヤンキー」を読もう。2015/12/26

かつみす

4
名作『ハック・フィン』には、作者が書こうとして果たせなかった探偵物語の跡が残っている。この仮定を出発点に、前日譚『トム・ソーヤ―』をはじめとする他の作品にも目配りしながら、トウェイン文学における〈父殺し〉のテーマを探索する試み。細心かつ大胆とはこのような本のことを言う。専門の研究書レベルの内容だけど、分かりやすく書いてあるので、『ハック』『トム』を読んでいれば、だいたいついていけるだろう。文学は好きだけど、それを論じるというのはどういうことなのか。そう思っている人は、一度読んでみると目から鱗が落ちるかも。2016/04/27

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