出版社内容情報
昭和十六年九月六日、御前会議の席上で開戦を避けるために読み上げられた明治天皇の御製。その解釈を巡る闘いが昭和史を動かした――
御前会議で読み上げられた明治天皇の御製、その解釈を巡る闘いが昭和史を動かした――。「よもの海みなはらからと思ふ世に……」、それは本来言葉を発してはいけない天皇が、戦争を避けるためにあえて読み上げた御製であった。しかしその意思とはうらはらに、軍部強硬派による開戦の口実に利用され、さらに戦後の戦争責任にも影響を及ぼしていく……。御製はいかに翻弄されていったのか――知られざる昭和史秘話。
内容説明
「よもの海みなはらからと…」、祖父・明治天皇の大御心が表現された和歌を、昭和天皇は御前会議の場で読みあげた。東条英機は「陛下の御心は平和にあり」と了解した。それなのに、日米開戦への道は止まらなかった―。昭和16年秋の苦い記憶が、昭和50年秋の昭和天皇に蘇る。戦争責任を問われて、「文学方面はあまり研究していない」と答えた理由とは?昭和史の書き換えを迫る、天皇の和歌に秘められた、相反する二つの顔。
目次
第1部 「よもの海」―平和愛好から開戦容認へ(「平和」がもっとも近づいた日―昭和十六年九月六日;御製は大御心である;「よもの海」の波紋はいつ鎮まったか;「不徹底」に気づいた高松宮と山本五十六)
第2部 「よもの海」の戦後(「平和愛好」へのリセット;映画『明治天皇と日露大戦争』の「よもの海」;明治百年の『明治天皇紀』公刊;アメリカで蘇える「よもの海」の記憶 ほか)
著者等紹介
平山周吉[ヒラヤマシュウキチ]
昭和27(1952)年、東京生まれ。慶応大学文学部国文科卒。出版社で雑誌、書籍の編集に従事した。現在、雑文家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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