新潮選書<br> むしろ素人の方がよい―防衛庁長官・坂田道太が成し遂げた政策の大転換

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新潮選書
むしろ素人の方がよい―防衛庁長官・坂田道太が成し遂げた政策の大転換

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037405
  • NDC分類 393
  • Cコード C0331

出版社内容情報

「素人」を自認しながら日本の防衛政策に大きな功績を残した政治家がいた。その業績から戦後の安全保障と自衛隊の歩みを描きだす。

「素人だからダメ」は本当か? 政治家の「手本」がここにある。1974年に 三木政権の防衛庁長官に就任した坂田は、防衛・安全保障の「素人」を自認しながら、「玄人」にはできない数々の改革を推進。「防衛計画の大綱」策定など日本の防衛政策に大きな足跡を残した。在任期間は歴代最長の747日。その業績から日本の防衛政策と自衛隊の歩み、そして政治家のあるべき姿を描きだす。

内容説明

1974年、防衛庁長官に就任した坂田道太は、当初は自民党文教族として知られ、防衛政策には「全くの素人」。しかしひとたび就任すると、当時の国際情勢や日本の防衛政策の課題を正確に把握。公明正大な議論と情報公開で国民の理解を促し、自衛官の待遇改善や「防衛計画の大綱」策定などで日本の防衛史に大きな足跡を残した。政治家のあるべき姿を問う一冊。

目次

坂田防衛庁長官の登場
坂田が活用した「防衛を考える会」
国会論戦での一手
防衛世論の変化
坂田・シュレージンジャー会談
シュレージンジャー解任と再来日
自衛官への眼差し
基盤的防衛力構想―新しい防衛哲学
画期的な防衛白書
防衛政策の刷新―「防衛計画の大綱」と国防会議
ミグ25機事件
ロッキード事件と濡れ衣
党内抗争を見つめながら
長官退任後の坂田道太

著者等紹介

佐瀬昌盛[サセマサモリ]
1934年生れ。東京大学教養学部卒、同大学院修了。ベルリン自由大学留学後、東大助手、成蹊大学助教授を経て、1974年より防衛大学校教授。2000年3月退官、防衛大学校名誉教授。拓殖大学海外事情研究所所長なども務めた。早くから新聞や雑誌で積極的に発言を続ける。専門はドイツ外交、国際政治、安全保障(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

25
素人ならいいわけではなく、資質なのだろうなと思いました。しかし防衛のような話は広く俯瞰できる人ではないと厳しいのだろうなと感じました。2022/09/15

うーちゃん

3
私と同郷の熊本出身なので、生前から親近感を抱いていた。テレビや新聞を通じてみる坂田道太は教養豊かな好々爺という印象だったが、本書を読んで、骨のある人物であることが分かった。素人でも真摯に勉強し、常識を働かせて判断すれば道を誤らない。出処進退は潔く。書けば簡単なことだが、これが極めて難しいことは私も50年生きてきたので良く分かる。それを坂田道太はきちんとこなした。防衛の小難しい議論も、筆者が防衛大学校で教鞭をとった人物であるだけに、私のような門外漢にも分かりやすく書かれている。非常に良い読後感だった。2014/05/15

kozawa

3
非常におもしろく読んだ。1975年予算委員会での社会党議員の質問で「防衛計画が正しいとすると、日米に軍事関連秘密協定があるはず」と質問され、実は連携がまともに考慮されてない空虚な計画だったと認めて策定に入ることにする下りなど、この分野に詳しい人なら常識かもしらんけど、なかなか。その他、ロ事件の最中のソ連機亡命の案件への対応などなどなかなか読み応えがある2014/05/12

わび

2
野田政権で素人でひどい大臣が続いたことを背景に、畑違いながら防衛庁長官として優れた成果を残した坂田道太を「素人」と「教育者的」という二つの視点から高く評価した評伝。論旨には概ね共感できるし、このようなマイナーな人物の評伝があることは嬉しいが、いくつか疑問点もある。著者は文学の教養や文部大臣経験と、講話等に見られる信念を結びつけて坂田が「教育者的」と論じるが、これはやや強引ではないだろうか。加えて、大臣の役割を強調するために防衛官僚の中長期的な動きは重視されない点も(防衛政策の転換点であるだけに)気になる。2019/07/05

Naoya Tomihisa

2
☆☆☆★★40年前に防衛白書と防衛大綱を策定し、自衛隊と国家防衛の哲学を明確にせしめた坂田道太の功績。坂田の在籍期間は2年弱だが、これが歴代防衛庁長官・防衛大臣の中で最長というのには、今更ながら驚く。2014/05/15

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