新潮選書
天下無敵のメディア人間―喧嘩ジャーナリスト・野依秀市

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  • サイズ B6判/ページ数 454,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037023
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0336

出版社内容情報

ブラックジャーナリズムの祖、GHQから最も多く発禁処分を受けた男……だが彼ほどメディアというものを理解した者はいなかった。

ブラックジャーナリズムの祖にして、GHQから最も多く発禁処分を受けた男。昭和前期から戦後にかけて「言論界の暴れん坊」の異名をとる男がいた。反体制も躊躇せず、戦時下は反東条の姿勢を貫き、一方で対米戦を過激に煽る。その結果、収監されることも一度や二度ならず。だが彼ほど「世論」を体現した者はいなかった。表の言論史には現れぬ鬼才に焦点を当て、真のジャーナリズムとは何か、その原点を考える。

内容説明

昭和前期から戦後にかけて「言論界の暴れん坊」の異名をとる男がいた。反体制も躊躇せず、戦時下は反東条の姿勢を貫き、一方で対米戦を過激に煽る。その結果、収監されることも一度や二度ならず。だが彼ほど大衆の感情、「世論」を体現した者はいなかった。表の言論史には現れぬ鬼才に焦点を当て、真のジャーナリズムとは何か、その原点を考える。

目次

元祖「メディア人間」
野依式ジャーナリズムの原点
「広告取り東洋一」の実業雑誌
喧嘩ジャーナリズムの筆誅録
「大正巌窟王」の闘い
『世の中』と『女の世界』の新機軸
仏教プロパガンディストの信仰縦横録
護憲派ジャーナリストの有田ドラッグ征伐
「代議士」野依秀市の誕生
「貧強新聞」奮戦記
筆は剣よりも強し
総力戦体制下の「反体制」言論
敗戦者の勝利
広告媒体か、モラル装置か

著者等紹介

佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年広島市生まれ。京都大学大学院准教授。京都大学文学部西洋史学専攻卒業。ミュンヘン大学近代史研究所留学ののち京都大学大学院単位取得退学。東京大学新聞研究所・社会情報研究所助手、同志社大学助教授、国際日本文化研究センター助教授を経て現職。専攻はメディア史、大衆文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽん教授(非実在系)

2
『輿論と世論』のテーマである大衆民主主義化を体現した人物であるメディア人間野依秀市は渋沢栄一など実業家、三宅雪嶺など知識人、堺利彦など共産主義者、岸信介などの保守政治家などかなり幅広い人脈を持ち、時には喧嘩を仕掛け喧嘩した相手と同盟を組んで別の敵を殴りに行く。筆頭に人間の根源的な欲求・社会の時流を見抜き動き回り逮捕もされるこの人物は一種の天才であったことは間違いない。2015/03/23

takao

1
ふむ2023/02/12

素牛(Sogyu)

0
戦後は右翼としてレッテルを貼られていたようですが、社会主義者や共産主義者との付き合いも多く、渋沢栄一などの財界の大物にも庇護してもらっていたり、岸信介等の政治家との付き合いもあり、なんだかめちゃくちゃです。しかしこれだけ活動した人物なのに、近現代史ではほぼ消された存在になっているという、メディアに消されたメディア人間というのも切ない感じがします。このような人物にスポットライトを当てて、現代にあらためて紹介したということで、とても価値のある本だと思いました。2015/08/26

onepei

0
悪びれないというか、堂々としているというか、露悪的というか…。この人のもとでは働くのは大変そうだ。2012/06/08

なのは

0
面白い! 軍に媚び、しっかり儲けつつ戦後は軍部に言論弾圧の全責任をひっかぶせた知識人の欺瞞を陸軍の情報将校鈴木庫三を通して描いた『情報統制』と鏡合わせの一冊。あわせて読めば楽しさも二倍。朝日や読売などの大新聞の記者がエリート官僚的組織人であるのに対して右翼と目された野依率いるマイナー、日日新聞が職がなく困窮した共産主義者、アナーキストの受け皿になったなんて面白すぎる。新渡戸稲造攻撃が綺麗ごとを言いつつ社会矛盾に対してはほっかむりを決めこむ典型的な親英米派に対する不満の代弁で、だからこそウケたというのも納得2019/01/06

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