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新潮選書
ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036699
  • NDC分類 481.78
  • Cコード C0345

内容説明

生命に対してはより重大な危機となるのに、ヒトは銃よりもヘビを反射的に怖がることが多い。脅威へのシグナルが遺伝子にすり込まれているからだ。普段、意識もしない動作や行動、心理・感情には、人類の進化にかかわる重要な理由があった。ヒトが生き残るために働く恐怖心や不快感、喜びや興奮、性別特有の動作や感覚―そのメカニズムを解く納得のポビュラーサイエンス。

目次

第1部 「動作」をめぐる謎(なぜ女性は“内股”、男性は“外股”なのか?;なぜ友好的な気持ちを示すとき拍手をするのか?;出会いや別れの挨拶が、相手と同じ動作になりやすいのはなぜか? ほか)
第2部 「行動」に秘められた謎(並んで歩くカップルは、なぜ女性が左側になることが多いのか?;なぜ電話で謝るときにも頭を下げるのか?;上司はなぜ、椅子に座って部下を呼びつけるのか? ほか)
第3部 「心理・感情」をめぐる謎(なぜ振り込め詐欺にだまされるのか?;スポーツの有名人に“品格”を求めるのはなぜか?;なぜ幽霊を怖がるのか? ほか)

著者等紹介

小林朋道[コバヤシトモミチ]
鳥取環境大学教授。1958(昭和33)年、岡山県生れ。岡山大学理学部生物学科卒、京都大学で理学博士取得。専門は動物行動学、人間比較行動学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

20
動物行動学的な視点から解説する人間の行動について。霊長として僅かな時間だけこの地球の頂点に君臨しているぼくたちホモサピエンスは忘れがちだけれど、個々の存在全ては種の保存のためにある。昨今は個の自由を是とし、群れへの忠節など噴飯ものな価値観がベースとなってはいるけれど、どうしたって生物である限り種の保存を最優先とするようにプログラミングされているのは仕方ないのかな。所詮人間も遺伝子の乗り物に過ぎないという事実を叩きつけられると、虚しさと安心が同時に胸に溢れてきますね。2021/01/03

mackane

16
人はなぜ、拍手をするのか。しかも、それは世界共通で、称賛や好意を示す際に行われる。威嚇や警戒など、他にも使いどころはありそうだが。なぜなのか。逆にブーイングが低い声で行われるのはなぜか。他にも、人はなぜ怖いものみたさを抱くのか、笑顔はなぜああいう表情になるのか、振込詐欺にひっかかるのはなぜか、なぜ花を贈るのか。美しいとはどういうことか。などなど、本書では、日常の些細な動作や行動、心理がなぜそうなっているかという謎を、人の連綿たる進化の歴史と仕組みから明らかにしていく、ドラマチックな書。面白くかつ平易。2014/07/20

myc0

14
「〜は、なぜ〜〜なのか?」ってタイトルはキャッチーだけど、本の主題は別のところにあったりしっかりとその答えが書いてない事あるよね。今回もやっちゃいました。現代社会にもある性差や文化も、動物行動学的な根拠があるというら見解はとても面白い。納得の一冊。2022/04/10

ふろんた

12
話としては面白いけど、動物観察を経験してきた著者の私見なので、真偽のほどはわからない。2018/04/10

anco

6
ヒトの行動を動物行動学の立場から考察した本。ヒトは相手に友好的な信号を送るとき、声を高くする。拍手はこうした親和の特性。上位者の言動に対して、下位者は表情、態勢を少しオーバーに変化させる。サングラスをかけた人が強そうに見えるのは、表情の変化がなくなるため。ポケットに手を入れる行為は、肩の盛り上がり、肘の張り出しといった威嚇・威圧的信号を生み出している。逃げたいけど逃げられないといった葛藤状態では転移行動を引き起こす。頭を掻くのはその表れ。一方でハンドルをたたくのは異指向行動、エンジンの空ぶかしは意図運動。2015/07/11

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