出版社内容情報
戦後日本を変えたのは、責任あるヨロンか? 付和雷同のセロンか?
「世論」はいま、ヨロンともセロンとも読むが、戦前は「輿論=公的意見」「世論=大衆感情」と区別していた。日本戦後史は“輿論の世論化”に他ならない。終戦記念日、安保、東京オリンピック、全共闘、角栄と日中関係、天皇制、小泉劇場など、エポックとなる出来事の報道や世論調査を精査し、権力者とメディアの大衆操作を喝破する。
【著者紹介】
1960年生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学博士(文学)。東京大学助手、同志社大学助教授、国際日本文化研究センター助教授を経て京都大学大学院准教授。専攻はメディア史、大衆文化論。著書は『「キング」の時代』(岩波書店、日本出版学会賞・サントリー学芸賞受賞)、『言論統制』(中公新書、吉田茂賞受賞)、『八月十五日の神話』(ちくま新書)、『メディア社会』(岩波新書)、『テレビ的教養』(NTT出版)ほか。
内容説明
「世論の従って政治をすると間違う場合もある」(小泉純一郎)…この“世論”はセロンか、ヨロンか?“公的意見=輿論”と“世間の空間=世論”、両者を改めて弁別し、戦後を検証したい。終戦記念日、安保闘争、東京オリンピック、全共闘、角栄と日中関係、天皇制、小泉劇場などエポックとなる出来事の報道を分析し、メディアの世論操作を喝破する。甦れ、輿論。
目次
輿論は世論にあらず
戦後世論の一九四〇年体制
輿論指導消えて、世論調査栄える
終戦記念日をめぐる世論調査
憲法世論調査とポリズム批判
「声なき声」の街頭公共性
東京オリンピック―世論の第二次聖戦
全共闘的世論のゆくえ
戦後政治のホンネとタテマエ
テレビ世論のテンポとリズム
世論天皇制と「私の心」
空気の読み書き能力
著者等紹介
佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学博士(文学)。東京大学助手、同志社大学助教授、国際日本文化研究センター助教授を経て京都大学大学院准教授。専攻はメディア史、大衆文化論。著書は『「キング」の時代』(岩波書店、日本出版学会賞・サントリー学芸賞受賞)、『言論統制』(中央新書、吉田茂賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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