内容説明
利休鼠、深川鼠、藤鼠、鳩羽鼠…。あなたには違いがわかりますか?化学染料を使わずに天然素材で糸や布を染めていた時代、日本人はどのように色と付き合っていたのか?紅花、藍、刈安などによる古法の染色を探求しつつ、物語や歌に込められた四季の想い、衣装や絵画、書跡や工芸を手掛かりに、古代から中世・近世までの色彩感覚を生き生きと甦らせる。
目次
第1章 赤への畏敬
第2章 高貴な色となった紫
第3章 多彩な青と緑
第4章 仏教の黄、魔力の金
第5章 町人の色、茶と黒
著者等紹介
吉岡幸雄[ヨシオカサチオ]
1946年京都生まれ。染色家。早稲田大学第一文学部卒業後、美術図書出版の「紫紅社」を設立。88年「染司よしおか」五代目当主を継ぎ、伝統的な植物染による日本の色をあらわす。東大寺、法隆寺、薬師寺、石清水八幡宮などの行事で用いられる造り花、衣装、道具を制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shantaram
1
著者の存在は知ってはいたけれど、まさか40歳を過ぎてから自然染めの世界に入ったことに驚いたわ! 「安ければ良い」が人生哲学になりつつある日本で、このような伝統を守り続けるのはとても大変なことなのでしょう。 でも良いもの、人間に優しく寄り添ってくれるものが残っていくと心から願っています。2017/04/21
uka
1
表にはでない根に色を持つ、という部分が非常に印象深い。 欲を言えば、はじめのカラー部分に、色パターンのせてほしかった。 ところで和の色名の多さに驚く。色名が少ないとダメということではない。名づけるということは命を吹き込むことに等しい。 季節に色をつけ、色に命を見ると言うのは、日本に馴染み深い精神なのだとおもう。季節や自然を見て感じる心を忘れないようにしたい。2014/09/18
東隆斎洒落
0
(08.05.05 読了) 染色家の書く一冊。 化学染料のなかった時代の染物の大変さを再認識。 赤・紫・黄・緑・青・金・黒・・・ それぞれの色の歴史と色の違いをよく見ていこう気持ちが芽生えた。2008/05/05
kiki**
0
★★★★★2010/10/05
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