内容説明
泡盛の蒸留廃液に黒糖を加えた健康飲料「もろみ酢」、米糠から「天然うま味調味料」、削りカスから「天然液体かつお節」…生ゴミや廃棄物から生み出したヒット商品は、数知れず。その他、糞尿や灰を活用した日本古来の知恵、ゴミを一切出さない中国の究極のリサイクルなど、柔軟かつ大胆、ユーモアと遊び心にあふれた、経済効果抜群の発想法のすべてを公開。
目次
第1章 マイナスをプラスに変える(米からチーズの発想;「黄色い砂糖」の発想;「麦出酢」の発想 ほか)
第2章 日本人の底力(灰で豪商になった男の発想;「夏の甘酒」の発想;「猫またぎの鯖」をサバイバル化する発想 ほか)
第3章 柔軟な発想(「行列の出来るラーメン屋」の発想;寿司屋の煎酒の発想;「商標」への発想 ほか)
著者等紹介
小泉武夫[コイズミタケオ]
1943年、福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学農学部醸造学科卒。東京農業大学応用生物科学部教授。専門は発酵学・醸造学。農学博士。学術調査を兼ねて、世界中の辺境を旅する。自他ともに認める「食の冒険家」。また、泉のごとく湧き出るアイデアで、すでに20以上の特許を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マエダ
61
人間の体の中には100兆個もいると言われる微生物、あまりの多種多様さと未発見の多さ、効能の素晴らしさが本当に大金の匂いがする。「もろみ酢」などつけるネーミングセンスも抜群の著者である。2020/02/12
yendows
4
古今の醗酵アイデア例が多岐に渡っているので、醗酵にたいする感度が高まる。全体的に節の締めくくりは「アイデア一つでビジネスになるのである」となっててそれはそうだけど…となる。2章3章が1章に比べて旨そうに感じるネタが多い。日本酒、ワイン、ビールから香気成分を回収してフレーバーとして再利用というのが面白かった。2019/08/23
放蕩長男
4
発酵にまつわる飲食物を多く生み出してきた著者による、開発事例集です。自分のアイデアで作り出した数々の商品や、日本、中国で伝統的に生産されてきた発酵食品の紹介がされています。素晴らしいのは、その発想力と、行動力です。お米が余っているから、それを原料にチーズを作ろうとか、思いついても普通はなかなか行動には移せないと思います。 嬉しい驚きは、朽木の鯖寿司が紹介されていたこと。あの集落は何度も訪問しましたが、あの空気は大好きです。2017/06/06
ケ゚ーコ
3
小泉先生の発明自慢。2021/01/24
でぃー
3
発酵の発明に関する短編集の様な作品でした。発酵の素晴らしさの解説をしつつ 新しいアイデアを生み出す極意が綴ってありました。昔の人の発想を生かすこと、徹底的な情報収集 話題性の重要さ。大変ためになりました。それに加え発酵食品が無性に食べたくなる一冊でした(笑)2015/10/22
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- 和書
- 甦るロシア帝国 文春文庫