内容説明
飛行機が墜ちるにはわけがある。完璧に思えた設計思想も、ミスなど起こすはずのないベテラン操縦士にも死角はあった。「日航123便・ジャンボ機墜落事故」から「羽田沖、全日空ボーイング727墜落事故」まで、内外の巨大旅客機事故を俎上に元日航パイロットがその原因に迫る。生と死のはざまに機械と人間が織り成す運命のドラマ8本。
目次
第1章 日航123便・ジャンボ墜落事故
第2章 コメット機事故調査に学ぶ安全
第3章 ボーイング377「ストラトクルーザー」の不時着水
第4章 世界最大の死者ロス・ロディオス空港ジャンボ衝突事故
第5章 DC‐10・スーシティ事故が見せた41分間のドラマ
第6章 英国航空9便・ジャンボ40分間の苦闘
第7章 名古屋空港、中華航空エアバスA300墜落事故
第8章 羽田沖、全日空ボーイング727墜落事故
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
36
元パイロットの作者が、できるだけ客観的なデータを使い様々な航空機事故の原因を究明しています。日航ジャンボ機の墜落原因は、長いこと「圧力隔壁破壊説」と言われてきて今でもそう信じられていますが、いろんなデータや証言を元に考えると、これはあり得ないことがわかります。事故調査委員会の報告は、どれを聞いても何となくしっくりこないことが多いように思いますが、多分にいろんなところから圧力がかかったりしているんだろうな、と勘繰ってしまいます…。この本にあるような事故が、今後起きないことを願っています。2015/06/04
skunk_c
11
御巣鷹村に落ちた日航123便の圧力隔壁破断説に生存者の証言との矛盾などから異論を唱えていた著者のいわばダイジェスト版。続くコメットケースは、未来の事故を防ぐための徹底した原因究明の事例として取り上げる。それに対し小牧の中華航空エアバス墜落についても日本の事故調査のお寒い状況を批判。そして最後に全日空B-727羽田沖事故を取り上げて、事故調査委員会を批判するが、このケースは柳田邦男の名著『マッハの恐怖』に詳細に取り上げられている。山名・楢林といった気骨の調査官の名前が懐かしい。2016/04/12
雨猫
3
元日航パイロットである方が書いた本だけに説得力がある。123便を含む世界各国で起こった航空機事故8件について書かれてある。飛行機とは改めて恐ろしいというか難しいものだと思った。海外の事故調査に比べると日本の事故調査が非常にお粗末に感じる。事故原因がきちんと解明されることにより飛行機はより安全な乗り物になるであろうから、そこは徹底してほしい。☆4つ2013/10/16
ヒコ。
1
かなり不親切なドキュメンタリー、飛行機に関する知識が必要です。まあ著者は航空関連の人に書いたのだと思いますけど。もう少し図は欲しい2021/05/07
ノチヲ
1
原因が大別される事故がわかりやすく記載されていていいです。事故調査の在り方などの提言が耳に痛いですが会社にもあてはまるかなと。技術者は読んだほうがいいです。2011/07/15