感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei-zu
19
夏目漱石を中心に、明治の文豪たちが数多く登場。谷口ジロー「坊ちゃんの時代」とは違ってミステリ仕立ての転換に、これはこれで楽しい。 豪放磊落な南方熊楠は、その登場から最後の百物語の怪談語りまで、(間にその描写がなくても)読者を引っ張ってくれます。百物語の最後に蠟燭を消して現れたものは…2023/03/21
本木英朗
15
日本の原作者・作画家の古山寛・ほんまりうの短編集のひとつである。俺は単行本で大学時代から20回以上読んでいたが、病気になってからは今回が初めてだ。(文庫版しかないってところは……)。霧深き倫敦。殺気みなぎる団子坂。そして、小日向・養源寺……。誰も知らなかった、文豪・夏目漱石が遭遇した、三つの謎とは?という話である。もちろん真相は分かっていたのだが、それでも本当に超凄かったです、ハイ。まさに「驚天動地の明治文壇ミステリー秘話!」そのものだろうね、ウンウン!! 超大満足でした。またいつか読もうと思う。2024/11/19
Sleipnirie
6
漱石など実在の人物が数多く活躍する漫画(昭和の終わりか、平成初めの年に描かれた)。考証をしてありノンフィクション的なフィクション。 最初に南方熊楠が在英中に調査してたビルトダウン原人の頭骨(後の人類学最大の捏造事件)を漱石がやることになる(犯人が明らかになるが、これ原作担当の考察)。 他に平井太郎(デビュー前の江戸川乱歩)が政治家の絡んだ殺人事件の謎を解く(森下雨村でてくる)、百物語の会場で南方熊楠が大逆事件の起きる明治日本を語る。 本編後には、人物解説と原作・作画の両名へのインタビュー。2016/11/26
軍縮地球市民shinshin
4
ただの明治文豪ミステリー漫画と思いきや、最後に百物語にかけて1911年の大逆事件に話を発展させている。本書が刊行されたのは平成元年で、ちょうど昭和天皇の病状が伝えられ、世間がにぎやかな催しを自粛する傾向があり、その反発から最後の章を考えたという。自粛なんてのは、中韓タブーをはじめとして今でもいくらでもあるだろう。こういうことに「危惧」を感じる人たちって、こっちの方は何とも思わないらしい。2015/12/11
もにか/monika@横浜市(神奈川県)
4
なんだか「坊っちゃんの時代」そっくりだと思ったら原作者が「かなり影響を受けた」とあとがきに書いていた。エンターテイメントに徹したストーリーと確かな作画ががっちりとよつに組んだなかなかの力作。もっと読まれてもいいと思う。2015/02/11
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