内容説明
桜に新緑、紅葉に雪、四季折々の自然に包まれて、近江の山腹にひっそりと鎮まる純和様の本堂と三重塔。湖東三山と称される天台古刹の優美な姿を、井上隆雄が深い陰翳の中に写し出す。
目次
図版(西明寺;金剛輪寺)
エッセイ 金剛輪寺と西明寺の周辺
解説 湖東の密教寺院―西明寺と金剛輪寺
感想・レビュー
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kthyk
18
「ギリシャ、ローマの遺跡は文字通り廃墟であり、行けばただ乾いた草原が拡がっているだけであるが、日本ではそうではない。それを動かせない現実に仕立てて見せてくれたのは白洲氏である」と吉田健一は書いている。日本名建築写真選集全二十巻はボクの貴重な愛蔵書だが、その第七巻の白洲正子による金剛輪寺・西明寺等「湖東三山」のエッセイが特に圧巻。名建築は読書より体験。山間の僧房は信長・秀吉に総て壊されたが、山上の門と塔と本堂は今も健在。錦秋の候、バスやクルマではなく、ゆっくり山道を登れば吉田氏の言う現実は真正に実感される。2022/12/06
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