内容説明
モネ、モリゾ、マネ、カサット、ドガ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、そしてゴッホ…。光満ちあふれ、幸福な色をたたえる印象派絵画の誕生の陰には、愛すべき“愚かものたち”による闘いのドラマがあった。貧困と、世評と、病とも闘いながら、志高く新しい道を切り拓いていった画家たちのあしあとをたどって、アート小説の名手が紡ぐ、7つの物語。
目次
1 何もなかったように モネの物語
2 このバルコニーから ベルト・モリゾとマネの物語
3 永遠の一瞬 メアリー・カサットとドガの物語
4 まぶしい季節 ルノワールの物語
5 通り雨、天気雨 カイユボットの物語
6 無言のふたり セザンヌの物語
7 アイリスの花束を ゴッホの物語
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年、東京都生まれ。作家。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森美術館設立準備室勤務中の2000年、半年間ニューヨーク近代美術館に在籍。その後フリーキュレーターとして独立。2005年に「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞受賞。2012年に『楽園のカンヴァス』(新潮社)で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
290
原田 マハは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、フルカラーで印象派初心者向きの素敵なガイドブックです。掲載されている作品の中では、月並みですが、ルノアールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」が一番好きです。 https://artmuseum.jpn.org/mu_murann.html モネの「睡蓮」のために作られたオランジュリー美術館に何時か是非行ってみたいなぁ! https://4travel.jp/travelogue/101211082019/07/07
旅するランナー
176
印象派画家たちのショートストーリーと、代表作と、ゆかりの地の風景写真。己れの目と心を信じて、己れが信じる絵を描く。ただそれだけをひたむきに貫くことがどれほどつらく、また尊いことか。酷評・批判・非難・罵声を乗り越えて、新しい芸術を生み出した彼らへの尊敬と愛情が感じられます。アートは友達。美術館はその友達の家だと思って気軽に訪ねて行ってほしい、というマハさんの言葉に従って、今日もまた訪ねて、アートの力で体の内側から輝きたいです。ピカッとね。2019/09/29
kanegon69@凍結中
139
すごく見やすい大判で、素敵な印象派の絵と、マハさんならではのストーリーが書かれています。一般の美術書よりもはるかに親しみやすく、私のような元来美術音痴の人間でもすっとその世界に入れます。素敵なセブンストーリー、どの話も素敵でした。19世紀という時代を駆け抜けた印象派の画家達。互いに結構接点があった事がよく分かってなんだか嬉しい気分にもなりました。たくさん出てくる絵の中で、個人的にはあのモネも絶賛したギュスターヴ・カイユボットの「パリの通り、雨」の優しくて暖かい絵が心に焼き付いてしまいました。楽しかったぁ~2019/08/12
れみ
130
モネ、モリゾとマネ、カサットとドガ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、ゴッホ。印象派の画家たちを描く7つの物語。物語は、普段マハさんの書かれてる作品からすれば、そのほんの断片とかあらすじくらいの印象。モリゾとマネのお話とかはもっと長いので読んでみたいかも。画家の生涯と作品、モネのゆかりの地を訪ねる「ノルマンディー紀行」とか、面白いコンテンツがたくさんだった。2019/07/16
AICHAN
127
図書館本。今年3月に予約してようやく手に取った。印象派の画家7人を描いた短編集。作品と画家の年表もついている。官展(サロン)に入選するような正統派の絵画ではなく、自分たちの意思の赴くまま印象的な絵を描き続けた、いわゆる印象派の画家たち。彼らは「愚か者」と呼ばれた。しかし美しい作品をあまた残した。『美しき愚かものたちのタブロー』は彼らの代表的な作品を描いたものと思われるが、それを読む前にこれを読んで良かった。「愚か者」たちの生き様を頭に入れておいてから、『美しき愚かものたちのタブロー』を読むことができる。2020/09/16
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