内容説明
「戦争」を生き抜いた画家は、今度は戦争体験と戦わねばならなかった。戦争の激浪に拉致された画学生、画家たちは、沈黙を強いられることとなった。青春の夢・希望を奪われたことでは、両者は同じ、犠牲者だった。彼らの叫びを、20世紀のこと、昭和の世のこととせず、耳をかたむけよう。
目次
第1部 「戦争」が生んだ絵(香月泰男―アトリエの中のシベリヤ;浜田知明―戦争体験の無残な感覚のイメージ化;高山良策―「弾雨下にスケッチ 高山君絵筆の奉仕」;山下菊二―「おちこぼれ兵士の戦線スケッチ」 ほか)
第2部 「戦争」が奪った絵(戦没画学生と遺作を守った遺族たち;戦没画学生列伝;「無言館」の十三年眠れる「絵の骨」のこと)
著者等紹介
野見山暁治[ノミヤマギョウジ]
1921年、福岡県生れ。43年、東京美術学校(現・東京芸術大学)油画科卒業。58年、安井賞受賞。78年、『四百字のデッサン』(河出書房新社)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。81年、東京芸術大学教授を退官。92年、芸術選奨文部大臣賞受賞。97年、毎日芸術賞受賞。2000年、文化功労者。画家、エッセイスト
橋秀文[ハシヒデブミ]
1954年、兵庫県生れ。84年、早稲田大学大学院博士課程を経て、神奈川県立近代美術館に勤務。現在、同館専門学芸員
窪島誠一郎[クボシマセイイチロウ]
1941年、東京生れ。印刷工、酒場経営などを経て、64年、小劇場「キッド・アイラック・ホール」を設立。79年、夭折画家の作品を展示する「信濃デッサン館」を設立。97年、戦没画学生慰霊美術館「無言館」を設立、その活動は野見山暁治とともに、2005年、菊池寛賞受賞。「無言館」「信濃デッサン館」各館主(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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