出版社内容情報
この男の何が「凄い」のだろう? 信長、秀吉との本当の関係、楽茶碗に込められた意味とはー。茶室、侘び、神ほか10章で、注目の若手茶人が「利休神話」をくつがえす。
内容説明
いったい、この人の何が「凄い」のでしょう?利休の逸話は数多いですが、そのほとんどが作り話です。信長、秀吉とのほんとうの関係、楽茶碗にこめられた意味、暗い茶室でこころみた工夫―いま注目の若手茶人が、茶碗、茶室、侘び、禅、死ほか一〇章で語る、茶の湯をよく知らない人のための新・利休入門。
目次
茶碗
茶室
飾り
侘び
茶会
能
禅
死
神
形
著者等紹介
木村宗慎[キムラソウシン]
茶人。1976年愛媛県生れ。神戸大学法学部卒業。少年期より裏千家茶道を学び、1997年に芳心会を設立。京都、東京で稽古場を主宰しつつ、雑誌の記事やテレビ番組、展覧会等の監修を手がける。2008年、日本博物館協会顕彰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
96
「茶の湯」とは何だったのか、利休の謎とは何かに迫っているのが興味深かったです。信長や秀吉との関係や暗い茶室での茶への試みなどを突き詰めていく入門の書と言うべきでしょう。茶の湯に触れるには欠かせない利休の存在。利休について深く追求しているとは言い難いですが、茶の湯に対しては抑えるべきところは抑えていると思います。細かいことはわからなくとも、美しい写真などから茶の湯の香りが漂ってくるようでした。2017/01/13
ひめぴょん
11
茶道のお稽古は始めたものの、千利休については名前くらいしか知らないことに気づいてちょっと勉強しようと思って読んでみました。茶道は政治経済に深くかかわっていたという歴史的経緯があったのだと知りました。茶の湯というジャンルを確立したのが利休。あまりにも今の茶の湯は利休を語りすぎているが、利休を忘れるべきなのかもしれない。ただ、知っておくことは必要。以下は文中引用。 利休が楽茶碗を作らせた真意は「茶碗を見るな」「道具を忘れろ」ということだった。 廊下や縁側をやめ、障子戸ではなく、躙り口から入る単独の小さな建物に2024/08/19
shin1ro
4
20数年前、何も考えずにお裏さんの教室の門を叩きました。半年で転勤になり、それを機会に茶の湯の歴史をほんの少し勉強したところ、COMME des GARÇONS HOMME PLUSマニアだった自分は利休より織部と遠州に惹かれました。結局燕庵を擁することとお師匠さんが見つかった(笠智衆さんのお嬢様!)ことから藪内流に入門し直しました。残念ながらそれも転勤の為一年程で頓挫してしまったのですが、両流派に接せられたのはイイ経験でした。この本は「入門」を名乗っておきながら利休を神格化していないのが興味深いですね。2014/09/14
Myan2Myan
3
日本建築や日本庭園を見学すると必ずと言っていいほど茶室が併設されているので併せてを見る事になるが、茶の湯についてはあまり知らない。茶の湯と言えば千利休。茶の湯を知る手始めとしてこの利休入門書を図書館で借りてみた。茶碗、茶室、茶会、信長と利休、秀吉と利休などについて章立てして利休の茶の湯について解説されている。写真を見ているだけでも落ち着く。2021/10/04
mzs11
3
子孫でもある著者が、利休とは何だったのか?と世に問い直す本。茶道を極める人だから書ける、新しい利休像。2019/04/16