内容説明
奉行所跡でロドリゴ神父の踏絵シーンに泣き、大浦天主堂でキクの哀しい最期に泣き、浦上村でサチ子の被爆悲話に泣く…。作家は雨の街角で、狭い路地で、何を考え、何を見出したか?「沈黙」、「女の一生」の足跡を辿る―。
目次
「沈黙」の舞台を歩くその1 旧外海町+大村―トモギ村に栄光!
「沈黙」の舞台を歩くその2 西坂から本河内―強い者も弱い者もない
「沈黙」の舞台を歩くその3 風頭山から旧外浦町―キリストが求めたものは?
「女の一生」の舞台を歩くその1 旧浦上村―愛と哀しみの浦上村
「女の一生」の舞台を歩くその2 丸山から大浦天主堂+大篭町―キクの祈り
「女の一生」の舞台を歩くその3 雲仙・島原―あたかも殉教のなきがごとく
横瀬浦―宣教師の時代そのまま
生月―かくれ切支丹の島
平戸・五島列島―ある日、遠い海から…
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923(大正12)年、東京生れ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
44
沈黙と女の一生をもとに書かれた本。どちらも読んだことはあるし、今年の夏は長崎へ旅したけれど、この本を読んでから行くともっと遠藤周作の世界が味わえると思いました。今度はこの本を片手に、長崎観光をしたいと思います。その前に、女の一生を読み返さねば。2016/10/09
Kiyoshi Utsugi
36
遠藤周作は1923年(大正12年)生まれなので、来年は生誕100年ということになります。ちょっとビックリ。 遠藤周作の長崎切支丹三部作は、「沈黙」、「女の一生 一部・キクの場合」、「女の一生 二部・サチ子の場合」で、この三部作を読んでから長崎を訪れるとよいとのこと。それ以外に本書で引用されているのほ「埋もれた古城」、「切支丹の里」、「王の挽歌」。 このうち読んだことのあるのは「沈黙」と「埋もれた古城」だけなので、「女の一生」を読み終えて来年には改めて長崎に行ってみたいと思いました。😀2022/06/23
ann
30
高校生の頃より、遠藤文学に心酔してきた。沈黙・女の一生・切支丹の里の三冊は私の至高。この三冊を心の支柱として生きてきたと言い切りたい。文学館には必ずいつか行きたい。その舞台となった場所や教会に立ち、角力灘に沈む夕陽を眺めるために。2015/09/03
かおりんご
25
再読。今回はキクの旅を決行!丸山町は歩いたことがなかったので、新鮮でした。「女の一生」も一緒に持ってきて読んでいるので、泣けます。2020/11/20
あーびん
24
遠藤周作の長崎切支丹三部作『沈黙』『女の一生』の舞台となった長崎の実在の土地を小説の引用とともに辿っていくため、これら三部作を読んでいる人向けの一冊。これを読んだとき『女の一生』をまだ読んでいなかったので旅行の前に読んでいったら潜伏キリシタンについて理解が深まりよかった。大浦天主堂や眼鏡橋など観光名所も盛りだくさん。美しい風景の写真がいっぱいで旅行後に読むとまた行きたいとの思いが強まった。2019/01/21