内容説明
切り貼り、描き直し、ボツ…「漫画の神様」の苦闘の痕跡は、すべて「原画」に刻まれていた。門外不出の原画・下描き類がいま語る、手塚漫画の秘密とは?門外不出の「ナマ原画」「ボツ原稿」でたどる、“漫画の神様”の苦闘の痕跡。
目次
序章 漫画の「原画」とは
第1章 「手塚漫画」ができるまで
第2章 色彩の魔術師
第3章 様々な変容
第4章 あらすじと人物紹介
第5章 ハサミとノリの芸術
第6章 失われた原画たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
83
手塚治虫がいかにして完成した漫画原稿を描き直してきたかがテーマのムック本。手塚プロダクション編集なので手塚が遺した原画を多角的に使用し、その描き直しの妙を分かりやすく伝えている。面白かったのはブラックジャックが語っているコマが切り張りしてあり、原画を透かして見ると語っていたのはヒョウタンツギだった!という話。神様も本当に色々考えて努力していたんだなあ。2024/07/04
keroppi
70
手塚治虫の苦闘の痕跡が原画に刻まれていた。単行本化される時に何度も描き直したということは知っていたが、こういう風に具体的に提示されるとその凄さがわかる。今だとデータですぐ出来ることも切り貼り繋ぎ合わせで作り上げている。透かして見える修正された絵や未完成の原稿の数々。手塚治虫の妥協を許さぬ姿勢が見えてくる。「どろろ」で百鬼丸の奪われた身体48ヶ所で出来上がったのがどろろだったという設定もあり、それが単行本化の際に全面カットになったというのには驚いた。自分が持っている単行本の数々を見返したくなってきた。2021/06/15
akihiko810/アカウント移行中
22
とんぼの本シリーズ。手塚マンガの原画、没ネームを公開。印象度A 手塚は雑誌掲載時と単行本化の際にかなり修正を入れるので有名だが、そのビフォーアフターや、原画の修正や没ネーム・没原画など、手塚の苦闘とこだわりの痕跡が見て取れる素晴らしい本。 あと、サンデー連載の「どろろ」が冒険王に移籍した際、百鬼丸の奪われた身体48ヶ所で出来上がったのがどろろだったという設定になったのだが、それが単行本化の際に全面カットになったというのにはとても驚いた2024/05/21
イリエ
15
ブラック・ジャック展の参考図書として。これはすごい本でした。手塚先生の作品になる手前、いかに苦闘されていたのか。ブラック・ジャックの目、興味深いです。どろろの設定も面白い。展示会場の様子はこちらをどうぞ→ https://note.com/irie_gen/n/n5961431501a12024/09/07
ぽっぽママ
13
最近いろんな漫画家の原画を見る機会が続いたが 最近の漫画家の原稿に比べ手塚さんの原稿は修正や切り張りが凄い。 本人の完璧主義もあるのでしょうがコピーもトーンもない時代の苦労を感じます。2017/08/10