内容説明
当代一の目利き、“ほんもの”を知る唯一の人といわれた白洲正子。今秋、旧白洲邸「武相荘」が記念館としてオープンするのを機に、白洲ワールドの拠点の全貌をあますところなく伝える。さらに、生前には家族にも内緒だった自筆の和歌集、油絵、ノートなどから修業時代の正子の姿を追い、白洲正子はいかにして白洲正子になったのかの謎を探る。
目次
旧白洲邸「武相荘」大公開!
“ほんもの”とは何か?
娘にねだった洋風“おふくろの味”
白洲学校の給食係
生涯をめぐる三つの断章
年譜
附 秘められていたこと
著者等紹介
青柳恵介[アオヤギケイスケ]
1950年、東京生れ。成城大学大学院博士課程(国文学)を修了。現在、成城学園教育研究所勤務、成城大学短期大学部日本文学科非常勤講師
赤瀬川原平[アカセガワゲンペイ]
1937年、横浜市生れ。武蔵野美術学校中退後、前衛芸術家として活躍。81年に作家尾辻克彦として「父が消えた」で芥川賞受賞
前登志夫[マエトシオ]
1926年、奈良県生れ。詩人として出発し、後に短歌を志す。68年より「山繭の会」を主宰。『縄文紀』(白玉書房、77)で迢空賞を、『青童子』(短歌研究社、97)で読売文学賞を受賞
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感想・レビュー
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だーぼう
23
圧倒的な存在感と魅力。しかも、ひと時でもなく最後の一瞬まで。ほんものとは何かが、これでわかった。ブログに感想を書きました。 2019/06/05
とよぽん
18
白洲正子という人がどんな人だったのか、少しだけ知ることができた。生い立ち、少女時代、能、アメリカ留学、帰国、結婚、海外生活、骨董、文筆、文化活動、日常生活・・・。「まれびと」と評される白洲さんの、魅力と深遠さにもう少し触れてみたい。旧邸「武相荘」にも行ってみたい。2016/03/03
けん
13
★2.5 武相荘に行ってみたい2018/12/09
tkkr
7
読書していると同居人が椎名林檎さんの曲を流しはじめた。白洲正子さんは憧れの人。同じく、椎名林檎さんも憧れの人なのだけれど、もし白洲正子さんが椎名林檎さんの曲を聞いたらどんなふうに思うのだろうと想像しながら・・・楽しい時間でした。さて、この本には白洲正子さんが描いた自画像や「なんで焼き捨てておかなかったんだろう」なんて評価される和歌も掲載されているのだけど、おそらく誰にも見られたくなかったと思われるものをあばかれてしまうことは、周囲の憧れを一身に集めた者の宿命として気の毒に思った。2016/03/21
はるな
5
白洲正子がどのように育ち、「白洲正子」となっていったかが描かれている本。彼女が書いた本を読むのはこれが初めてであったので、他の本を先に読んでおけばよかった…と少し思ったが、歳を重ねても、いや歳を重ねるごとに魅力を増していくことが伝わってきてぜひ見習いたいと思った。物を見る目を肥やすには実際に身銭を切って物と付き合ってみることだ、という白洲正子の言葉は、長い間そのように振る舞ってきた彼女自身の実体験にもとづくものであろう。とても身に沁みて、自分もそのようにして物に対する良し悪しを学んでいきたいと感じた。2016/01/24