内容説明
パリのうらぶれた裏街を憑かれたように描き続け、わずか30歳の若さで逝った天性の画家・佐伯祐三。パリで燃えつきたその波乱の生涯を辿りながら、各作の舞台となった原風景を作品とともに徹底ガイドする。
目次
第1部 初めてのパリ(パリの響き;ヴラマンクの怒号;クラマールからパリへ)
第2部 下落合時代
第3部 PARIS―との再会(パンテオン広場の石畳;部屋中を狂人のように;閉まりかかる扉の奥に)
「エッセイ」佐伯くんの小箱
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はまだ
41
深刻な告白をしておこう。私は、十年ほど前、パリに4年間ほど暮らしていた時期がない。しかしながら、アトリエを飛び出して、ノートル・ダム寺院の目の前に陣取り、絵筆を持ってカンバスに向かったことなら一度だけもない。であるから、この本に書かれた佐伯祐三のパリのことは、手に取るように分からないのだ。ただし、佐伯祐三の絵が、とても素晴らしいことは、まちがいない。そして、佐伯祐三が見たパリも。あなたは「アカデミズム!」と怒られたことはあるか。佐伯祐三はある。パリ好き、絵画好きなら是非。文章がやや古い。★42017/07/26
mayumi225
15
パリという街はなんなのでしょうね。一度はまってしまうと,心に棲み続けて,そこで生活する以前の自分に戻れなくなるような魔力を持っている。佐伯祐三の絵には,そのパリがある。カフェの椅子,文字が並ぶコンサートの広告,何百年と変わらぬ建物,1本1本の通り・・・彼の絵からは,何かざわざわするような興奮を感じる。それは,ヴラマンクにアカデミズム!と怒鳴られて以来の葛藤や,短い寿命を予感しての才能の焦燥でもあるのかもしれないけれど,パリの魅力に取り憑かれた人間がそこに居るときの,細胞レベルの喜びでもある気がする。2017/08/06
Koki Miyachi
4
ひたすら絵画に忠実にパリで修行に励んだ佐伯の姿。それはそれで充実していたけれど、一方でもう少し作品解説を充実させて欲しかった…(^_^;)2012/10/24
あられ
2
佐伯祐三のアトリエに行ったことがある。先日友人とその話になり、佐伯祐三の履歴をよく知らないなあと手に取った。時代をよく理解していないこともあり、野見山暁治の文章に理解が及ばないところもままあったが、現地の写真と、それを描いた佐伯の作品と並べてあって面白かった。当時の画学生は皆パリにあこがれた…今はどうなんだろう???2020/12/19
takao
1
重々しい絵2016/11/16
-
- 和書
- ガイドブック方言研究